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  [110] Mission of Love yu-jin 




「おまえさ。管制官に知り合いいない?」
「なんだいきなり」
いつものごとく、来たい時にだけ勝手に来て勝手に食事を作って食べて帰る男が、いつも通り勝手に人の家のキッチンを使って料理をしながら、ふと思い出したという顔を向ける。
「夕べテレビ観てさ」
話の脈絡がさっぱり見えないのもいつものことだ。
「で?」
「格好よかったんだよ」
「何が?」
「だから管制官」
「あ。そう」
脈絡があるのかないのかさっぱり判らない会話を続けながら、野菜を次々とカッティングボードの上に乗せていく。
玉ねぎ、人参、キャベツ。。一体何を作ろうとしているのか、ケンにはさっぱり判らない。
「”あ、そう”じゃねぇんだよ。知り合いいないかって聞いてんだよ」
「知り合いがいないかという話とテレビを観てかっこいいと思った話の脈絡が分からん」
「だからさっきから言ってんだろ。実際にお目にかかってみてぇなって」
いや。言ってない。。
それに、フライパンに油を敷き、カットした豚肉を投入しながら力説する言葉ではないような気がする。
「お目にかかってどうするんだ?」
「そりゃお前」
そこで言葉を切ると、奴は玉ねぎを投入して軽くフライパンを振った。
「口説くにきまってんだろ」
「え”?」
俺は思わず奴の姿をまじまじと見つめていた。
「え”って何だ?」
「い、いや」
男を口説くのか?。こいつが。
口説きたくなるほど、そのTVに出ていた管制官は格好よかったのか??
いや、そもそも格好よければ男も口説くのか?こいつは。
肉に火が通ったのか人参を投入。
人参。。。
「おい。人参入れるなよ」
「あ。わりぃ。いやなら避けて食え」
なんだって人が嫌いだと言ってるものをわざわざ入れてるんだこいつは。
「で、いるのかいないのか?」
「何でわざわざ人の家来て人の嫌いなもん入れるんだ?」
「だから悪いって謝っただろ」
「謝って済むなら俺たちはいらない」
「それを言うなら警察だ」
「そんなことはどっちでもいい。何で入れるんだって聞いてるんだ俺は」
「いや、だから見てたTVで作ってる奴が入れてたからだよ」
「は?。最近TVじゃ管制官が料理番組やってるのか?」
「おまえねぇ」
奴は呆れた声でつぶやきながら、俺の苦情を無視してキャベツを投入する。
「人参どけろよ」
「はいはい。お前の皿にはいれねぇよ」
「ったく」
俺は軽く機嫌が悪くなっていた。
奴はその手のさっしは素早い。そのまま黙って麺を投入する黙々とフライパンを起用に振りながら料理に熱中していた。

「Clear for Takeoff」
ヘッドフォンから聞こえてくる管制官の声を聞きながら、俺は先日しつこいほど言い続けていたあいつの言葉を思い出した。
”管制官に知り合いいる?”
いないことはない。
ただし俺が知ってるのは”声”だけだ。
今の声は確かに何度も聞いている”知り合い”だ。
「Raja」
彼女の指示は聞き取りやすい。
管制官によっては指示が聞き取りづらい時もある。
で、何が格好いいんだ?。
俺はあいつが何が格好いいと主張していたのかと首を傾げながら離陸態勢に入る。
あいつの場合は、勝手に離陸して勝手に着陸しているGPでしか空を飛んだことがないのだから、管制官の声を聞くこともない。また、勝手に夢をみたのだろう。
先日の会話を思い出したと同時に、あの時あいつが作っていたものも思い出していた。
うまかったなぁ。

「出来たぜ」
そう言って俺の目の前に差し出した皿に乗っていたのはフライドヌードルだった。
麺を入れていたから野菜炒めではないとは思っていたが、その皿と一緒に差し出されたものを俺は思わず見つめていた。
「何だ?これ」
茶色いスープの入った小ぶりのボールを渡され俺はその中を覗き込んでいた。
「この麺を付けて食うの。旨いぜ」
言われた時は半信半疑だったものの、言われた通り確かにアレは美味かった。
「これ何だ?。始めて食べた」
「つけ焼きそば」
「まんまじゃないか」
「俺が命名したわけじゃねぇよ」
「どこで食えるんだ?」
「さぁ、知らねぇ」
ということは、何か?。これが食いたかったらこいつに作らせるしかないってことか?。
それはそれで少し腹立たしい。
次にコレを食わせろと言ったら最後、絶対に管制官を紹介しろと言い出しかねない。

紹介しろと言われてもなぁ。
俺は機体の浮上を感じながらそんなことを思い出していた。
「Contact departure 120.8 have are nice Flight. Goody」
管制官の声を聞きながら俺は相当間抜けなことに今頃あいつがこだわっていたことに気がついた。
「Goody」
答えながら俺は少し声が笑っていたかもしれない。
そうか、あいつが言っていた「管制官」は女か。
そうだよなぁ。
俺は無意識に管制官は男だと思い込んでいた。
基本的には男性の声を聞く方が多いこともあるが、俺が実体込みで知り合いの管制官は男だけだ。
そうは言ってもなぁ。
確かにこの”声”の管制官は知っているが、彼女がどんな形状の物体なのかは全く知らない。
別に彼女に限定する必要はないだろうが、実体を知っている女性の管制官は一人もいない。
俺はどうやってもう一度あの料理にありつくかを考えながらフライトしていた。

「で?」
俺は”管制官”を紹介すると言ってもう一度あいつが作ったアレにありついた。
ソイソースベースのスープには、千切りにしたホワイトオニオンと筍を濃い目に味付けしたものがラー油で和えて入っている。
その食感と辛味、さらに卵の黄身の風味ととろみが混ざったソレは妙に癖になる味だった。
俺は人参が入っていようがいまいが構わずにそれを口に入れていた。
「旨いな」
「そうじゃなくて、どんな感じの人なんだ?。お前の知り合い」
どんな感じの人と言われても実体は見たことがないのだから答えようがない。
「そうだなぁ。カワイイ感じかな」
俺は頭の中で彼女の声を思い出しながら答える。
「可愛い感じかぁ」
あいつの声に若干の覚めた雰囲気が漂う。
そうか、こいつは”可愛い”は気乗りしない方だった。
「でも大人っぽい落ち着いた雰囲気もある」
「ほお。落ち着いた大人の女性でしかも可愛いかぁ」
一瞬にして過去に出会ったことのある女性のイメージから勝手にモンタージュを作ってるんだろうということが判る顔をして、あいつの視線が彷徨っている。
勝手にやってろ。
俺は、この絶妙な味を堪能したい。
「で?」
「で?何だ?」
「じらすなよ。いつ合わせてくれるんだ?。明日か?。なんなら今晩でもいいぜ」
「あ〜〜。今夜は無理だな」
「じゃ、明日か?」
「せっかちな奴だなぁ。嫌われるぞ」
俺はそう言いながらもせっせと麺を口に運ぶ。
「お前が”大人の女性”とか言うんだから、キャリア風か?。だよなぁ管制官だもんなぁ」
いったい”管制官”にどんな幻想を抱いているのか、俺はやつが見たというTVを知らないのだから何とも言えない。
俺にとっての最大の問題は、どうやって今後もコレにありつくかということだ。
”紹介する”が嘘だとバレたら二度とコレにはありつけない。
ということはようするにバレなきゃいいとも言う。
「結構忙しい人みたいだからな。あなたは6番目って言われた」
"・・your number 6 sequence"
離発着の多い空港管制だと四六時中飛んでいる管制指示をそのまま言ってみる。
「ろ、6番目ぇ?。やけに付き合ってる男が多い女だな」
こいつは、6番目の男扱いに燃える時と冷める時とどっちも有りだ。
今日のところは"管制官”に固執している分、多分燃える。
「そんなもん、会えば俺が1番目の男だ」
低く笑うあいつを横目に、”やっぱりな”と内心思いながら、皿に残っていた最後の麺の塊をがっさり自分のボールに入れた。
「ちょ、お前一人で食うな」
「ん?。旨いぜ。これ」
「そりゃよかったな。だからって一人で食うことないだろ。ったく」
やつの言葉なぞ右の耳から左の耳に抜けるどころか、耳にも入らずに空間に消えていく。
俺は小皿に残っていたホワイトオニオンと筍のラー油和えもボールに入れ、最後の一口を堪能した。
「ちょっと待て、お前それも食っちまったら俺のツマミもねぇだろ」
やつが声を上げた時には、テーブルの上の皿には何も残っていなかった。

それっきり俺はそのことを忘れていた。
理由は単純だ。
この間あいつに作らせたあの料理を、2人分を一気に食べたら気持ちが満たされた。ただそれだけだ。
しばらくアレは食わなくてもいい。
そんな俺の胃袋を知っているかのように、今日はカッティングボードの上であいつは椎茸の軸をみじん切りにし、今はむきエビを叩いている。
「なぁ、例の彼女。6番目ってまさか半年後とかいわねぇよな」
荒くミンチにしたエビに塩こしょうを振りながら、顔を上げた。
正直、俺は危うく”何の話だ?”と言いそうになっていた。
「まさか忘れてねぇだろうな」
一瞬目が泳いだのを見られたらしい。
料理をしながらそういう目はやめておけと言いたくなるほど強い視線が飛んでくる。
「忘れちゃいないさ。ただ順番は風向きで変わるからな。今も6番目か判らない」
「おい。コンタクトとってねぇのか?」
「あんまりしつこくrequestすると無視されるからな」
「大人しく順番待ってろってことか?」
やつはボールに入れたエビの荒ミンチと椎茸のみじん切りに溶き卵を入れ混ぜながら不服そうな声を上げる。
ま、放っておけばその内忘れるだろう。上空待機もそう珍しいことではない。
「一度会わせてくれりゃ、後はこっちで何とでもできるんだがなぁ」
心なしか、エビを混ぜる手に力が入っているようにみえた。
「そう簡単にemergencyは宣言しないだろ」
「させるところが男の腕だろ」
違うと思う。
「で、お前は今度は何を作ってんだ?」
カッティングボードの上に軸をとった椎茸の傘を並べ、起用に茶こしを使って粉を振っている。
自分で言うのもなんだが、そもそも我が家にカッティングボードも茶こしもない。
自慢じゃないが、塩以外の調味料もない。
つまりあいつは、材料どころか、調味料やら調理器具までわざわざ持ってきている。
そうまでして、何で人の家で料理をしているのか、聞いたことはないが、まかり間違っても俺に手料理をふるまいたいということだけはない。
何度か家主がいない間に、勝手に来て勝手に作って勝手に食べている場面に遭遇した。
それはまだいい方で、何かを作って食べたらしい痕跡だけはあるが、物が何もないということも多々あった。
その状況を考えれば、俺が居るか居ないかは、あいつがここで料理をする上で全く関与していないという結論しか導けない。
椎茸の傘の中にエビミンチの種をつめ、傘と傘を合わせて大きな椎茸ボールを作ると、満足そうな表情で一人で頷いている。
その顔を見ていると、「作りたい」という欲求を満たすためだけに来ているような気さえする。
食パンをおろしてパン粉を作り、その中に粉チーズとイタリアンパセリのみじん切りを混ぜる。
適度に手がかかっていながら簡単に作れる料理シリーズなのか、あいつはテキパキと進めていく。
どうやらその作業に熱中してしまっているらしく、俺の存在は忘れ去っているようだ。
あいつは椎茸ボールにパン粉をまぶしてフライパンの揚げ油の中に投入している。
俺は、ソファに横になって読みかけの本を広げた。

オーロラソースを添えて出された、その椎茸ボールのフライは美味かった。
作った本人も至って満足げだ。
「で?」
「あ?。美味いよ」
「じゃなくて、彼女にemergencyを発動させるためにはどこに行けば会えるんだ?」
「え?」
俺は一瞬虚をつかれた。
「会いに行く気か?」
「会わなきゃ何も始まらねぇだろ」
ごもっとも。
ごもっともだが、この場合、始まるもの始まらないもない。というか、始まりようもない。
そもそも、俺はあの”声”を聞いた飛行場が何処だった忘れている。
どこだっけ?。
声を聞けば判る自信はあるが、そうしょっちゅう聞いているわけではない上に、そこに行けば必ず管制官が彼女というわけでもない。
いや、あの飛行場はいつも彼女な気もする。
いや、”あの飛行場”はそもそも何処だ?。
俺は慌ただしく記憶を手繰りながら、手を休めずに椎茸ボールのフライを口に運ぶ。
フライを食べるとビールが欲しくなる。
同じことを思ったのか、あいつは立ち上がると冷蔵庫へ向かう。
俺にもくれ。
そう言おうとした時、ふと嫌な予感に襲われた。
「ジョー。やめておけ」
「え?」
冷蔵庫の扉に手をかけたまま奴が振り返る。
「紹介する前から止めろってどういうことだ」
「へ?。あぁ、そっちじゃない。ビ・・」
”ビール”と言おうとしたまさにその瞬間だった。二人のブレスレットが同時に鳴り出す。
こういう予感は当たる。
ビールが欲しくなるような物は食うなということか。
「彼女のemergencyより、俺たちのscrambleの方が先みたいだな」
「くそっ。任務が終わったら紹介しろよ」
取り敢えず、椎茸ボールに餌付けはされずに済みそうだ。
この際ばっくれるに限る。
「覚えてたらな」
俺は残っていた椎茸ボールの最後のひと切れを口に放ると飛び出していった。

you know... mission was the reason for love
残念だな。このmissionは失敗だ。ジョー
(2012/12/15 21:21:31)

[110-1] きゃ〜〜♡ Azure

yu-jinさん、ありがとうございます。
しかし、『彼女がどんな形状の物体なのか』ってなぁ、、、ケン(爆)
(2012/12/15 22:00:02)

[110-2] きゃ〜❤ さゆり

いかん、こんな時間におなかが減って来た(爆)
ジョー、うちのキッチンにも来て〜〜!w

ああ、やっぱフィクっていいなあ!
書きたくなったもん!www
(2012/12/15 23:37:44)

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  [109] GUILTY yu-jin 




GUILTY 有罪。
どれだけの罪を背負う覚悟ならば許されるのだろうか。
俺にはその覚悟はなかったのもしれない。
白い翼が血に染まっていく度、その度に己が背負った翼の重さを感じる。
繰り返す終わらない苦しいこの想いを予想などできなかった。
矛盾するようなこの痛みが癒されることなどあるのだろうか。

アイシテル。
「お〜〜〜い。お前今何て言った?」
雑誌の記事に目を落としたまま、聞きなれないその言葉にジョーは返事をしていた。
ウソじゃない。また会いたい。
「別にいつでも会えるだろ」
抱きしめて
「本気にするぞ」
今すぐ
「あのなぁ」

振り返ったジョーの視線の先に、ヘッドホンから流れる音楽に身を任せているケンの姿が映った。
「おい」
ヘッドホンのコードをひっぱる。
「あ?」
「お前なに聴いてるんの?」
「不倫の歌。流行ってるらしい」
この身も蓋もない説明をするような男に曲を聞いてもらいたいと思うアーティストはいないのではないかと思う。
「あそ。断片を歌うな。驚くだろ」
「驚くって何を?」
「いきなり、愛してるだの、嘘じゃないだの、抱きしめてだのはやめろ」
「あぁ、歌ってたんだ。へぇ」
へぇじゃないだろ。と思ったが、追求はしなかった。
とりあえず身の毛のよだつ恐ろしいセリフが自分に向けられたものでないことが判ればそれでいい。
「ともかく、びっくりするからいきなり歌うな」
念押しするとジョーは途中だった雑誌に再び視線を落とした。
そのまま雑誌の記事に没頭してしまったジョーは、いきなり自分の真横に人が座る気配で顔を上げる。
「ん。何だ?」
少し近すぎるほどの距離にケンが腰を下ろしていた。
蒼い瞳が真っ直ぐにジョーを見つめる。
「何だよ」
あまりに真剣な眼差しを向けられてジョーは一瞬ひるんだ。
まるでその隙を待っていたかのように、両腕がジョーの肩に回される。
「アイシテル」
耳元に熱い吐息と共にその言葉が吹き付けられる。
「おい」
引き剥がそうと腕で押しのけようと力を入れたが、相手はさらに力を込めてジョーの肩を抱き寄せて続けた。
「ウソじゃない」
「お前。いい加減に・・・」
言いかけた言葉が唇で塞がれる。
「・・ん・・」
「・・・抱きしめて・・・今すぐ」
絶対におかしい。
絶対に絶対におかしい。
頭の中で警告がなっている。
だが、今にも雫がこぼれ落ちそうな蒼い瞳で覗き込まれた時、頭の中に鳴り響くアラーム音が消し飛んだ。
顎を掴んで持ち上げ、ジョーはそのやわらかそうな唇に顔を近づけていった。
その肩をグイと押される。
「え?」
「簡単に落ち過ぎだ」
「え”?」
「何でその気もないのに落ちるんだ?」
「いや、何でって、お前」
しどろもどろになるジョーに目の前の男は冷ややかな視線を投げる。
たった今、ほんの数秒前には今にも泣き出しそうな顔をしていたその男がだ。
「意外と簡単に落ちるんだな。サクッと片付けてくるか」
「片付ける?。片付けるって何だ?!!」
「仕事に決まってんだろ。今夜は帰らないからな。泊まるなら勝手にしてくれ」
身軽にソファから立ち上がると、放り投げてあったダウンを手にとる。
デスクの引き出しを開けて無造作に入れてある札を数枚抜くと、それをジーンズのポケットにねじ込み手にしたダウンを羽織った。
「ちょっと待て!」
「その気になっちまった始末は他で調達してくれ。じゃぁな」
あっけないほどそっけなく鍵など締めたこともないドアを開けて出ていった。
そのドアをたっぷり数秒見つめてジョーは深い吐息と共に年代物のソファの背にもたれかかる。
何なんだこれは。
雨漏りのシミが浮く天井を見上げ、ジョーは前髪を吹き上げるほどの吐息をついていた。
バーカ、その気がないから驚いて落ちるんだろうが。
その気のある男なら簡単に落ねぇ。
・・・・落ちない・の・か??
ってか、あいつ今何て言って行った??

アイシテル。
嘘じゃない。
謎の電話に呼び出されたtelephone boothの中で俺は思い出した情景の中のその言葉をつぶやいていた。
嘘じゃない。
嘘ではない。
その”愛”は家族愛に近いのかもしれないが、それを実感した記憶がない俺には、どう同じなのか違うのか説明できない。
だが。
アイシテル。。。
言葉の魔法。
どれだけの罪を背負っても、許されないこともあるということも知ってしまった。
ほんの一年前の情景が遥か彼方昔のことのように、つい昨日のことのように思い出される。
きっと嘘じゃない。
嘘じゃない。
この有り得ない現実も。。。嘘じゃない。。。ウソ、ジャナイ。。。。ジョー。
NOBODY CAN'T STOP THIS  ”GUILTY”
それが事実であったとしても。
Fin

(2012/12/12 22:51:28)

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  [108] Mary Xmas!collaboration phantom.G 


さゆりさんのフィクで素敵な想像も巡らせてたんですが(アクション好き)
ちょっと急いだのでオリジナル構成は諦めました^^;
「モデルシーン」が分かるお人は凄いツゥ。
(2010/12/24 00:17:26)

[108-1] Very Merry Xma〜s! さゆり

どうもどうもです!>p.Gさん♪う〜ん、素敵だなあ、やっぱ♪
シーンは・・・どこ?
ケンの可愛らしさとジョーの可笑しさ(爆)に目が眩んでわかんないじょ〜
しかしジョーほどトナカイの着ぐるみが似合う男もいませんねえ(笑)

素敵なXmasアートのプレゼントをありがとうございました(*^_^*)
Very Merry Christmas !
来年もどうぞどうぞよろしく!

で、しつこいようですが、私の↓はまた恒例のXmasオーバーってことで(こらっ!x2)
m(__)m
(2010/12/24 11:52:27)

[108-2] フィクの続き p.G

楽しみに待っております!!!
クリスマス気分が続くのもまた好し!

二人のアングル距離感のモデルは
マリンサタン号に乗り込む直前です(^^)v
(2010/12/25 12:36:31)

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  [107] 2010@Xmasフィク用 さゆり 


GO! (2010/11/29 22:16:05)

[107-1] SANTA CLAUS IS COMING TO ・・ みけこ&廖化


SANTA CLAUS IS COMING TO ・・


10日ほど前になる。ISO情報部に世界的大企業の重工業部門が密かに兵器の開発を行っており、ギャラクターとのつながりが疑われるとの情報がもたらされた。科学忍者隊は南部博士の指令を受け、事実確認のため問題の企業の本社があるジツワール国へ潜入した。五人は手分けしてギャラクターとの関連が噂される部所の調査に着手した。

「こちらG2号、G1号、どうぞ」
『こちらG1号』
 ブレスレッドから健の声が返って来た。
「報告する。俺の担当範囲の社員は全員シロだ。彼らとヤツらとの接触を裏付ける物証は無かった」
『わかった。ではあとは竜からの報告待ちになる。しばらく待機していてくれ』
「ラジャー」

 ここジツワール国はカルプス山脈の東側に位置し、夏は登山やトレッキング、冬はスキー客でにぎわう他、名勝地も多いことから年間を通して観光客が途絶えることは無い。そんな一見穏やかに見える国の裏側で悪事が行われているかもしれない、とはどういうことなのだろう。現状に満足せず更なる権力や財力への欲望が人々の日常を壊す行動を招いてしまうのだろうか。
 釈然としない想いを抱きながらジョーはG2号機を郊外の公園の駐車場に止めた。集合までどのくらいの時間があるか分からないが、そぞろ歩きをする暇はあるだろう。ジョーはG2号機を出ると公園内へと歩を進めた。初冬の公園は花が咲き乱れる季節ではないが、よく手入れされた並木や庭園が清々しい。そんな公園の一角が人々で賑わっている。近付いてみると植木市が開かれていた。これからの季節や春に向けての種や苗のほか、クリスマスリースも売られている。またクリスマスツリー用なのだろう、ジョーの肩ほどの高さのモミの木が二十鉢ほど並べられていた。この木を全部クリスマスツリーに仕立てたら壮観だろうな、とジョーが眺めていると、一人の男が腰を折って、鉢の前を行ったり来たりしている様子に気付いた。男は「これは枝ぶりがイマイチだ」「こいつは枝のバランスが悪いな」などと呟きながら木を吟味している。と、ジョーの気配に男が顔を上げた。
「お、ボーヤも木を買いに来たのかい?」
『ボーヤ』だと? ジョーの片眉が微かに上がった。男も若いとはいえ確かにジョーよりは年上だ。それにしても馴れ馴れしい。しかしどうせこの場限りの縁なのだから、とジョーは聞き流すことにした。
「いや、見ていただけだ」
 買ったとしてもこんな大きなツリーはトレーラーハウスには置けないし、第一、G2号機に乗らない物は持ち帰る術がない。
「そうかい? いや、こんなに並んでいても“気に入った1本”ってのはなかなか無いものだな。・・よいしょっと・・」
 掛け声とともに背中を伸ばした男はジョーよりも頭半分背が高かった。
「ボーヤくらいの年頃だと クリスマスはガールフレンドと過ごすのか?」
『ボーヤ』の連発に不貞腐されたジョーは男の問いには答えず、逆に尋ねた。
「あんたは? 家族とか?」
「家族ねぇ・・」
 男は肩をすくめた。
「おふくろがいるにはいるんだが、会いには行けねぇンだ」
「何処か遠くに住んでいるのか?」
「いや、隣国にいるんだが・・」
 母親がいる方向なのだろう、男が振り返って彼方に目をやった。
「いろいろと放蕩が祟ってね、合わせる顔がねぇのさ」
「それでもクリスマスだぜ、行ける距離なら顔を見せるくらいは・・」
「ああ・」
 男はしばし黙考したが、小さく首を振った。
「いや、やっぱり駄目だ。下手に俺に関わらねぇ方がいい」
「・・もしかして、犯罪にでも関わっているのか?」
「あー、まー、合法とは言い難いな」
「犯罪だと分かっているのならば辞めればいい」
「ボーヤの言うことは正論だけどな、世の中それだけじゃ渡って行けねぇのさ。見栄を張るには先立つものも必要でね」
 男は自嘲的に薄く笑った。
「ボーヤはまっとうな生き方をして、おふくろさん、大切にしろよ」
『いや、俺のおふくろはもう・・』
 ジョーがそう口にしようとした時
「お客さ〜ん!」
 奥から販売員がやって来た。
「ご希望の木はお決まりになりましたか?」
「ああ、え〜と、こいつだ、この木に決めるぜ」
 男が示した木に、販売員は『売約済み』の札を下げた。
「ではあちらの受付で配送の手続きをお願いします」
「はいよ」
 男はジョーを見て片手を挙げた。
「じゃぁな、ボーヤ」
『ボーヤじゃねぇ!』
 心の中で毒づきながらもジョーも手を挙げて男に挨拶を返した。
 母親が存命なのに会いに行けないとは、それはそれで辛いだろう。
 ジョーの脳裡に、戻ることの出来ない懐かしい故郷の風景が鮮やかに甦った。
 
「届けてもらう先は隣国のホントワールなんだが、大丈夫かい?」
「はい、今からなら充分クリスマスに間に合いますよ。」
「頼むぜ。プレゼントだけは間にあわせないとな」
 
 男達の会話が聞こえてくる。
 どうやら男の言う「見栄」は母親に対してのものらしい。息子は経済的に自立していて親に贈り物をする余裕もあると示すために、危ない橋と判っていても収入を必要としたのだろうか。
 と、ジョーのブレスレットが点滅した。集合の合図だ。
『あんたこそ、生きているおふくろさんを大事にしろよな』
 ジョーは遠ざかって行く男に背に視線を送ると、駐車場へと歩き出した。


「あ、まだお客様のお名前を伺っていませんでしたね。お客様、お名前は?」
「俺か? ケリーだ。アーサー・ケリーってんだ」


 Merry Christmas
 聖なる夜
 
 今年クリスマスを迎えることなく旅立った命へ祈りをこめて  

 Merry Merry Christmas

    

 追悼 野沢那智さん
(2010/12/22 13:15:19)

[107-2] そしてイラスト みけこ&廖化

みけこさん、サンキュ! (2010/12/22 13:16:54)

[107-3] ご無沙汰しています 廖化

ピンポ〜〜ン♪
「お歳暮で〜す、ハンコお願いしま〜す!」(笑)

今年のクリスマスもみけこさんとコラボさせていただきました。
本当はみけこさんの画を文章の上に置きたかったのですが
ネタバレになってしまうので、後にしました。

(投稿してから気がついたのですが、以前のさゆりさんのフィクとタイトルが酷似!
もし不快に思われるようでしたら改題します。すみません)
(2010/12/22 13:19:06)

[107-4] 復讐するは我にあり 南部響子

=復讐するは我にあり=

婚約者が死んでしまったその年のクリスマスにアランは牧師から神父へと改宗した。
生涯を共にできる人はソフィア以外にいないと思ったからだ。
もう一生誰とも結婚を考えることはないだろう。ならばいっそのこと生涯を神にささげようと決心したのだ。

 実はアランはもともと神父になろうと修業を重ねていた。
十年も前のことだが、突然遊び友達だったジョージが死んだと聞かされてからというものアランの荒れようといったらそれはひどいもので、とうとう未成年者ながら逮捕されてしまったのだ。
そのとき、身元引受人をかって出てくれたのが神父だった。
アランは教会の修道僧として将来の神父を目指し、教会に住み込みで働き始めた。

 そんなある日の夜も更けた頃、アランはろうそく一本の灯かりを頼りに礼拝堂の掃除をしていた。
本来なら昼の間にやっておくのだが、その日は神父とともにブドウの収穫を手伝いに行っていてできなかったのだ。
すると、そっと礼拝堂のドアが開いて誰かが入ってきた。
「どなたかね?」
アランはちょっとだけ神父の真似をして言ってみた。
するとその人影は懺悔室へと音もなく入っていった。
アランは神父へ連絡しようかと思ったが、好奇心から自分がそこへ入ってしまった。

「神父さま。」
その声は聞き覚えのある少女だった。

「ソフィア、ソフィアじゃないか。どうしたんだ?今頃。」
驚いたソフィアは顔を上げて仕切りの向こうにいるアランの顔をじっと見つめた。
「あ、アラン・・?」
逃げ出すかと思ったソフィアは意外にもホッとしたような顔で金網の向こうのアランに話し始めた。
「私、ギャラクターを抜け出したいの。でも一人では何もできない。パパもママもギャラクターだから、私だけが抜け出すことなんてできないわ。」
そんなソフィアにアランは自分の気持ちがしっかりしているのなら当たって砕けろ、上司にあたる女隊長さんとやらに直訴してみたらどうだ、きっと神様が守ってくださると言って励ましたのだった。

 それからというものソフィアは夜になると毎日のようにアランの元へ「懺悔」にやって来た。
それに気づいた神父が問いただすと、アランはこれまでのいきさつを話し、ソフィアの力になってやりたいのだと熱く語った。
神父はアランとソフィアが愛し合っており、すでに男女の関係になっていることを察知した。
そして、どうしてもソフィアを守りたいのなら神父ではなく牧師になって彼女と結婚するべきだとアドバイスしたのだった。


 季節風と近くを流れる寒流のおかげで狭い島ながらそこだけは夏でも冷たい風が吹いて島民の間で避暑地として使われていた海岸。
そこは10年近く前、ジョージが両親とともに銃殺されたと聞いたところだ。
アランはそこにソフィアと一緒に暮らすための小さな牧師館を建てようとしていた。
自分がここにいたらジョージがひょっこりと還って来るような気がしたからだ。

 小さいが誰でも訪ねて来られる明るい教会を作りたい。
貧しい家の子供たちを集めて文字を教え、聖書や他の本を読めるようにしてやりたい。
そうアランは将来の夢をソフィアに語った。

 ソフィアもアランの言う通りに女隊長にギャラクターを抜けたいと直訴していた。
恋する女に怖いものはない。
ソフィアの申し出に女隊長はある条件を出してきた。
そして、ソフィアはためらわずにそれを承諾したのだった。

「本当に大丈夫なのか?」
心配するアランにソフィアは微笑んで応えた。
「えぇ。女隊長が約束してくれたわ。これが最後のの仕事だって。私はお母さんに教えてもらった技があるの。だれにも負けやしないわ。」
「そうか。頑張るんだよ、ソフィア。」
アランはソフィアの小さな肩を抱いた。

 ソフィアがその最後だという仕事に出かける前の日に二人は出来上がったばかりの小さな『自分たちの』教会で婚約式を行なった。
これからは二人でともに分かち合い、生きていくのだ。
誰が見てもお似合いの二人だった。
ソフィアが仕事から帰ってきたらすぐに結婚しよう。
そしてこれから二人で幸せになろう。二人の未来はまさにバラ色に輝いて見えた。



「アラン、アラン・フェリーニさんですね。」
婚約式の日から二週間ほどたったある土曜日の夕方、明日の礼拝の準備をしているアランの元を背の高い女性が訪れた。
金髪の長い髪を耳の横で束ねている。
「はい、アランは私ですが。」
「2号・・いえ、ソフィア・モンレールさんのことでお話が・・。」
「・・!・・。」

アランのいやな予感は的中した。

 ソフィアが死んだと事務的な口調で告げる女にアランはそんなことは信じないと言い張ることしかできなかった。
だが、さらにその女は冷たく言い放った。

「私はちゃんと見ていたのですよ。ソフィアは私どもの組織から抜けたがっていまして、これが最後の仕事になるはずでした。科学忍者隊のコンドルのジョーを捕まえてしまえば彼女は自由の身。あなたと結婚するのを楽しみにしていましたのにねぇ。」
「科学忍者隊?コンドルのジョー?」
「そうです。ソフィアはコンドルのジョーを捕まえようとして逆に捕まったのです。『私を許して逃がして欲しい』と懇願する彼女の胸めがけてジョーは羽根手裏剣を撃ち込んだのです。」
「なんだって?!」
「血も涙もない冷酷な人間ですわ。コンドルのジョーは。」
女は耳の下で髪を束ねている星型の飾りに手をやりながらそう吐き捨てるように言った。
「もういい。帰ってくれ。」

 ギャラクターの女隊長は、アランの言葉を聞くと冷たい微笑を浮かべ
「わかりました。では帰らせていただきますわ。」
そう人ごとのようにつぶやいて牧師館から去っていった。

「ソフィア・・。」
人間というのはあまりにも悲しいと涙が出ないというがまさにアランがそうだった。
ただ、「ソフィアは科学忍者隊のコンドルのジョーに殺された・・」
そう何度もつぶやくのだった。

 その次の日、アランの小さな教会では日曜礼拝が行われなかった。
そしてその夜、教会から海へと向かって歩く人影があった。
アランの身体は胸まで海につかり、大きな波がアランを呑み込みそうになる。
もうすぐ脚が立たなくなるだろう。

「・・アラーーン・・」
どこからか自分を呼ぶ声がする。
もしかして・・ジョージ・・?・・お前なのか・・?

 その時アランはガシッと強い力で抱きかかえられた。
「アラン、何をしているんだ?」
「し、神父さま・・!?」
朦朧とした意識がハッと戻った。

「ソフィアが亡くなったと聞いてお悔みを言おうと訪ねてみたら、今日の日曜礼拝がなかったというじゃないか。それで心配になって探しに来たのだよ。」
懸命に走ってきたのだろう、神父は荒い息づかいの中で休み休みそう言葉をつなげた。

「私の名前を呼んでいたのは神父さまだったのですね。」
「ああ。間に合ってよかった。」
ポンと神父に肩をたたかれて、アランははじめて声をあげて泣いた。
「うぅ・・うわーーっ・・」
 頭一つも神父より大きなアランが小さな子供のように神父にすがりついて嗚咽を漏らした。
暗い夜の海で二人はずぶぬれだった。
「そうだ。思いっきり泣くがいい、アラン。ここなら波の音がすべてを消し去ってくれる。」
神父はアランを抱きとめ、その背中をなだめるように優しく叩いた。
「自らの命を絶つということは神に逆らうことだ。もし死にたいのなら・・」
「死にたいなら・・?」
「・・殺してもらうしかない・・。」
「殺して?」
アランは神父の意外な言葉に驚いてほの暗い月明かりの中でその顔を見なおした。
 神父はふっと息を吐くと沖合いを見つめながら続ける。
「私だって人間だ。死にたいと思ったこともある。誰かライフルで私を撃ってくれないかとさえ思うほどにね。」
神父のような人でもそんな風に思うことがあるのか・・。それとも自分を励まそうとしてこんな話を・・?

 神父はアランの両肩に手をやると
「だが、君はまだやることがある。子供たちが君に勉強を教わりたいと待っているじゃないか?」
そう言いながらアランの身体を揺さぶった。

 そして今度はアランの手を取り片方の手でその手の甲を軽く叩きながら
「君は新約聖書、ローマ人への手紙、第12章第19節を知っているね。」
そう問いかけてきた。
「はい、神父さま。」
「言ってごらん。」
「あ・・愛する者よ、自ら復讐するな、ただ神の怒りに任せまつれ。録(しる)して『主いい給う。復讐するは我にあり、我これを報いん』・・。」
 神父はもう一度、アランの顔を見た。
「教会学校の子供たちにはわかりやすく言ってやらねばならんよ。さて、なんと言う?」
アランも神父の顔をじっと見つめて言った。
「愛する者たちよ、自分で復讐しないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。なぜならば、「主が言われる。復讐は、わたしのすることである、わたし自身が報復する」と書いているからである。」

「うん、うん・・。」
神父は眉を寄せ、目を細めると何度もうなづいた。

その後、二人は無言で海からあがると、牧師館へと消えていった。

THE END
(2010/12/22 20:18:07)

[107-5] クリスマスが今年もやって来た♪何処から? 南部響子

きゃ〜、みけこさんと廖化さんのコラボだ!
ふふっ♪眼福、眼福^^/

あ、ご無沙汰しております。
去年とはうって変わって暗〜〜〜いお話しでお目汚し・・すんませんm(_ _)m
で、ガッチャフィクなのにガッチャマンが出てこない(爆)
重ね重ねすんませんm(_ _;)m

私の場合、タイトル酷似どころか「まんま」ですがな。
いいのか?おいっ。
(2010/12/22 20:20:21)

[107-6] Very Merry Christmas ! さゆり

廖化さん&みけこさん、どうもどうもありがと〜う!
うう、アーサー・ケリーのVAの那智ちゃんもきっと天国で喜んでいるでしょう。アーサー・ケリーってさ、あの頃の子供向け(一応そうだったらしい>ガッチャマンも(笑))には考えられない大人なキャラだったよね〜・・・
ジョーのこともやっぱ「ボーヤ」呼ばわりなんだ(笑)まあアーサー・ケリーに「オッサン」呼ばわりされちゃおしまいだしな、ジョー(爆)
タイトルはもちろん全然OKだわよ〜(^_^)v

響子さん、どうもどうもありがと〜う!
そうだったのか、アラン・・・と思わず納得してしまいました。うう、憎たらしいぜ、G2号!復讐よーっ!(おい(爆))
でも神父様は結婚出来ないんだよ〜、アラン・・・でもでも婚約だけならいいのかも?(ホントかー?(笑))

素敵なXmasフィクのプレゼントをありがとうございました(*^_^*)
来年もどうぞどうぞよろしく!そして、
Very Merry Christmas ! to All!

あ、私の↓はまた恒例のXmasオーバーってことで(こらっ!)
m(__)m
(2010/12/22 23:33:03)

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  [106] 投稿用@2010.Xmas さゆり 


いきなりのおねだり?(爆)よろしく〜 (2010/11/20 12:17:13)

[106-1] SP ??? さゆり

L' ARBRE DE NOEL '10 - SP -

(1)

 樅の木には星の飾りと赤いリボンを、
 ジンジャーブレッドハウスには砂糖の雪とキャンディーで飾りを、
 ご馳走には焼いた七面鳥と丸太に似せたブッシュ・ド・ノエルを、
 窓の外には白い雪とスノーマンを‥‥
 
「‥‥ったく、クリスマスイブだってのに任務かよ!」
 ジョーは空を仰いで大袈裟に嘆いた。暮れかかった空には彼の夜、ベツレヘムに輝いていたような明るい星がひとつ。子供の頃、イブの晩餐と抱え切れないほどのクリスマスプレゼントが待つ家への路を急ぎながら見上げた空にもあの星はまたたいていたっけ。そう思うと余計にむかっ腹が立った。
「ちぇっ、面白くもねえ!」
 特にクリスマスが好きなワケでも、敬虔なクリスチャンでもないが、当たり前だった筈のものがいつのまにか失われてしまったという消失感と、それに伴う何とも言えないこの寂しさ‥‥それを指摘されたらまた別の意味で腹を立てるのだろうが‥‥が、ジョーの機嫌を悪くさせているのだろう、とケンは思った。と、
「酒は?ご馳走は?美人は?プレゼントは?パーティーは?‥‥どれかひとつくらいあっても罰は当るまいぜ。なあ、そうだろ?ケン」
 ジョーが八つ当たった。なんだ、感傷じゃなくて直球な不機嫌か、ジョーの奴‥‥と、ケンはフライトジャケットのポケットに両手を突っ込んだまま小さく肩をすくめた。
「雪は?ーと言い出さないだけ感心だな、ジョー」
「ったりめーだ!雪は要らねえ!だいたいクリスマスに雪がつきものなんてのはデタラメだ。雪が降るような寒い夜に馬小屋で生まれてみろ。イエス様だって凍え死んじまうに違いないぜ、きっと」
 凍え死ぬほどではないが、いかに温暖なユートランドとはいえこの季節、屋外でじっとしていなくてはならない任務は辛い。そう、イブの今宵、ケンとジョーに与えられた任務は選りにも選って某要人の極秘の警護という重要だが比較的地味で退屈なものだった。しかもその要人というのが、
「あのマルタイの野郎、何だってこんな所であんな真似をしてやがんだ!」
 と、ジョーを苛つかせるに充分なことをやってくれている。マルタイである彼はサンタクロースの扮装をしてたったひとりでベルを振り振り街頭募金を募っているのだ。それはそれで立派な行いなのだが、何せ要人という立場だし、いくら秘密裏にといってもそれはやっぱり危険だし、だがしかし本人は頑にひとりで街頭に立ちたがるし、というワケでケンとジョーが密かに警護する羽目になったのだ。

 まったく傍迷惑な、とケンも腹立たしかったが、任務は任務だ。そのへんの割り切りはジョーよりも数段優れている。いや、雪だの犬だのに祟られるバイトなイブにはすっかり懲りたからかも知れないが‥‥
「へぇ、マルタイだなんて本物のSPみたいだな、ジョー」
「ああ、夕べレイトショーで観て来たんだ、SP THE MOTION PICTURE」
「何だ、映画か?ははあ、それで寝不足して機嫌が悪いんだな」
「違うな」
「おや、違ったか?」
「おう。寝不足したのは映画館で隣に座りあわせたジェシカって娘とアルの店で飲んでな。それでそれからジェシカのルームメイトのアマンダって娘がこれがまたなかなか‥‥って、おい、聞いてるのか?ケン」
 ケンは聞いてはいなかった。じっと上方を凝視めるそのブルーの瞳が暮れ始めた空に輝きを増したクリスマスイルミネーションを弾いて鉱物質な光を放った。
 と、次の瞬間、
「ジョー!」
 一声だけ発して唐突にケンは動いた。
「おう!」
 抑えてはいるが鋭いその声に機敏に応じて件のサンタクロースへとジョーが駆ける。何か不審な対象を発見してケンが動くのなら、ジョーの役割は警護対象に接近し守りを固めることだからだ。訓練された現職のSP同様ーいやふたりはそれ以上のスペシャリストだった。
 しかしそんな事情でジョーが走り寄って来たとは知らぬサンタクロースは、
「メリー・クリスマス!ホー、ホー、ホー」
 と陽気な声を上げながら、白いひげに覆われた顔に満面の笑みをたたえてガランガランと賑やかにベルを振り鳴らす。
「へ‥‥?」
 一瞬、何のことかわからず、ジョーはやけににこやかに自分を迎えてくれたサンタクロースに目を丸くした。
「メーリー・クリスマス!ホー、ホー、ホーゥ」
 ガラン、ガラン、ガラ〜ン♪
 ややゆっくりと繰り返しながら、サンタクロースは促すように足元に置かれた募金箱を示すと、パチッとジョーにウインクした。
「あ?ああ、そっか」
 ジーンズのバックポケットからコインを掴み出そうとしてジョーは眉を寄せた。
 ‥‥う、こんな時に限ってコインが無え‥‥
 慌ててジャケットのポケットをまさぐったが、やはりコインはない。だが、この状況で募金をしないのはあまりにも不自然だ。だがしかし、ままよ!と引っ張り出した札は$5でも$10でもなくなんと$100、街頭募金の、しかも「したくてする」ワケでもない寄付にしてはちょっと多過ぎるし、だからちょっと躊躇わざるを得ない金額である。だが、しかしだが、マルタイ自身と周囲に不審を抱かせずに済ますには$100札を募金箱に納めるしかない‥‥
 ‥‥のか?ーいや、待てよ。あ、そうだ!
 $100札を差し出しながらジョーは訊ねた。
「な、釣りはあるかい?」
「ホッ?」
 今度目を丸くしたのはサンタクロースの方だった。


to be cotinued.....
(2010/11/26 23:25:45)

[106-2] SP @ 2 さゆり

(2)

 一方、ケンは階ごとに互い違いに配置された外階段を飛ぶような早さで駆け上がった。
 彼らがいるのはちょっと郊外寄りのショッピング・モールで、件のサンタクロースはその中庭に立てられたツリーの前に居り、周囲は3階建てほどの低層構造のショッピング・ビルがぐるりと囲んでいる。高層ビルがひしめき合うダウンタウンと異なり、こうしたモールはそのゆったりとした造りで家族連れや年輩者に人気があるらしい。が、ゆったりしているということは要するに面積が広いということで、加えて買い物がてらにそぞろ歩きを楽しむファミリーやらお年寄りやらの予測のつかない無秩序な動きに邪魔されて、「気になるもの」に到達するのに思ったより時間が掛かった。もちろんそれはほんのわずかな時間ーものの1分かそこらだろうーだったが、その気配はもうそこには無かった。
 ‥‥気のせいだったかな?‥‥
 さりげなく周囲をうかがいながら中庭を見下ろすと、ジョーがうまいことサンタクロースをカバーする位置についているのが見て取れた。
 寄付するふりをしているのだろうか?いやいや、ふりでは済まされまい。ほら、ベルの音に促されてポケットを探っている‥‥ん?サンタクロースと何を話してるんだ?‥‥えっ、ふたりしてどこへ?
 どういう事情なのか解らないが、サンタクロースがジョーを従えて歩き出したではないか。このままでは見失ってしまう‥‥
「あいつ、いったい何をやってるんだ?」
 訝しく思いながらケンは3階の通路をふたりが移動している方向へと歩み出そうとした瞬間、さきほど感じた気配‥‥警護対象に向けられたピンと張りつめたような空気‥‥を再び感じ取った。
「‥‥」
 無言のまま目と耳を澄まし、同時に周囲の音と色を排除して、気配を読む。
 と、その明らかに異質な緊張感に、研ぎ澄まされたケンの五感が反応した。
 ‥‥上か!‥‥
 ケンは屋上へと通じる階段を足音を忍ばせて昇って行った。
 
 パーキングスペースになっている屋上は様々な車でいっぱいだった。
 手近な場所に停められた車高の高いミニバンの陰に潜んで様子をうかがうと、やはり数人がふたりが移動した方向へと動いている。人数は‥‥3名ほどだろう。いや、動かない男がもうひとり‥‥指揮官だろうか?
 フェンスに寄って下を確認すると、おそらく建物の中に入ったのだろう。サンタクロースとジョーは見えなかった。ジョーが一緒なのだからそう心配することはない。もしかしたらこちらの動きから察して、上方の「気になるもの」から守るためにジョーがサンタクロースを屋内に誘導したのかも知れない。あいつ、そういうとこは妙に勘がいいからな‥‥と、ケンはクスッと小さく笑った。
 だが、屋上の男達はいささか慌てているようだ。
「おい、どこへ行った?」
「中です!」
「あの男は何者だ?」
「わかりません」
 といった会話が低く交されている。
 ‥‥よし、集まって来たな‥‥
 そう、それは肉声の応答でインカム越しのものではなかったし、声量から推して3人が互いに至近距離にいることは確かだ。もうひとりは‥‥ふむ、動かないか‥‥まあそれならそれで仕方がない‥‥
「サンタさん、どこかへ行っちゃったみたいだね」
 車の陰を伝って男達のすぐ傍へ接近すると、立ち上がりざまケンは暢気な声で言った。
「だ、誰だ?」
 いずれも体格のいい男達だったが、中でも一番上背のある男が似合っているとは言い難いマウンテンジャケットの中へと素早く右手を差し入れる。
「おっと‥‥」
 ケンは素早くその男の懐に入るとジャケットごと右手を押さえた。
 ‥‥SIG P230?‥‥
 分厚いキルティング生地越しに読み取った拳銃ーまだ半分はショルダーホルスターに収まったままだったがーに違和感を覚えつつも、振り払おうともがく男の左手をクロスさせた左手で封じ、同時に体を沈めて背後から捕捉しにかかる別の男の脛を思い切り払った。
「うわっ!」
「ううっ」
 ものの数秒である。が、そのわずかな間にもうひとりの男が短い棒のようなものを引き抜いて振り上げた。そして、
「このぉー!」
 突進しながら振り下ろしたそれは金属質な音を立てて3倍ほどに伸長した。
 ‥‥今度は特殊警棒か。こいつら、まさか‥‥
 拳銃に感じたのと同様の違和感に戸惑いが生じたが、振り下ろされる武器の餌食になるわけにはいかない。ケンは左右の腕をクロスさせたまま掴んでいたマウンテンジャケットの両手首を支点にくるりと身体を半回転させた。
「ぎゃっ」
 振り回されたそいつの右肩に警棒が食い込む。上背があるだけに振り下ろした方も避ける間がなかったのだろう。かなり激烈な一打が入り、マウンテンジャケットは悲鳴を上げて拳銃を握っていた手指を開いた。ケンは速やかに右手を放すと今度はその衝撃でホルスターから抜け落ちたSIG P230‥‥やっぱりこれか‥‥のランヤードを掴んでマウンテンジャケットの両手首に巻き付けた。そうしながら脛を払われて転倒していた男が再び突進して来るのを躱して、体勢を立て直してもう一度振り上げられた警棒目掛けて跳躍する。
 ケンの跳躍は高い。そしてそのキックはとんでもなく速くて正確だ。
「ー?」
 だからケンのブーツの爪先が自分の特殊警棒をいつの間にか蹴り上げ、落下して来たそれをケンが手にしたのを見、そして何故だがわからないが自分の右手がジーンと痺れている状況に、一瞬その男が不思議そうな表情を浮かべたのも無理はない。それほどケンの蹴技は優れているのだ。いや、マーシャルアーツの技量自体が男達とは比べ物にならない。だからもしケンが本気でーもちろん、今も本気なのだがー叩きのめしてしまおうと思ったならば、気の毒だが男達はとっくにそうされている筈だった。
 しかし、ケンはそうしなかった。だってこの男達は‥‥
「ねえ、もう止めにしようや。たぶん俺はあんた達の敵じゃないぜ」
 ケンはそう言うと、ニコッと笑って見せた。
「あんた達、SPだろ?」
 すでに息が上がってしまっている3人の男達は互いに顔を見合わせて、それから小さく頷いた。
「ああ」
 
 
to be continued.....
(2010/12/06 21:18:09)

[106-3] SP@3 さゆり

(3)

「やっぱかっこいいなあ、本物のSPは」
 ケンは屈託のない口調で感心して見せたが男達の表情は冴えなかった。実際はかなりかっこ悪かったんじゃないか?俺達‥‥という自覚はあるらしい。エリートである彼らにしてみれば信じられない、いや信じたくないといったところだろう。
「で、君は?」
「あ、バイトですよ。この時期は置き引きが多いんですって。なにせみんな浮かれてるし、買った物車に放り込んで鍵掛け忘れて、で、盗まれりゃクレームでしょ?こりゃたまらないってんでうちのサークルに募集が来てね‥‥」
「サークル?」
「そう、マーシャルアーツの。ふふふ、ちょっとしたもんでしょ?俺」
 親指でクイッと鼻先をこすって得意げな若造に、ああ、なるほど、と納得しながらも男達はますます渋面を作って、
「事情はわかった。だが素人のくせに危ない真似をしてはいかんな。もし窃盗犯を発見したら自分で何とかしようなどと考えずにまず警察に通報したまえ。いいね?」
 と釘を刺した。
「えー?けっこういい線行ってたと思うんだけどな‥‥」
「それは我々が本気じゃなかったからだ」
「え、本気じゃなかったんですか?」
「もちろんだ。我々は本物の危険かそうでないかを判断する訓練を積んでいる。だから君も無事だったんで、さもなきゃ怪我してたところだぞ」
 ‥‥どっちが‥‥と、ケンは可笑しかった。
「でも、SPがいるってことはあのサンタさんってVIPが扮してるんですか?」
「‥‥」
 勿論、彼らが答えるわけはないが、ケンは構わず冗談を言ってひとり笑った。
「まさか本物のサンタクロースだったりして?だとしたらVIP中のVIPですね」
「‥‥」
 相手に出来ん、とばかりに向けられた男達の背を、
「ねえねえ、教えて下さいよ。いいじゃないですか〜」
 と声で追いながら、ケンは彼らが向かう先に停まっている一台のリムジンに意識を集中させた。
 ‥‥隊長さんはあそこだな。と、もうひとりいるかな?‥‥
 見えるわけではないがわかる。"感じる"と言うべきか?誰かがいて、こちらに注意を向けていることは確かだが、特に不穏な気配は感じられない。だがちょっとした違和感はある。そもそもあのサンタクロースが何者なのか?ーを実はケンもジョーも知らされていないのだ。今回、
 『もし暇ならある人物の警護を頼みたいんだがね』
 食後のアールグレイをカップに注ぎながらさりげなくそう切り出した南部も、
 『どなたの警護を?』
 のケンの問いには、
 『ははは、サンタクロースさ』
 と笑うだけだったし、あのSP達の態度から推しても件のサンタクロースはそう重要な人物ではなく、だから差し迫った危険はないのだろうとケンは判断した。
 ‥‥それに万一何かあったとしてもジョーが付いているしな‥‥
「さてと、どこへ行っちまったのかな?サンタさんとルドルフは‥‥」
 と、独り言ちながらフェンスから身を乗り出して辺りを見回した。
 
 その頃、ジョーは‥‥
「‥‥」
「おお、なかなか似合うぞ、君。なあ、ルドルフ、やはりサンタクロースはトナカイを連れておらんとな」
「はい。左様でございますとも、旦那様」
 ルドルフと呼ばれた老人は温厚な顔に微笑みを浮かべて頷いた。歳は取っているが、ダークスーツを着こなしたその背はピンと伸びて姿勢がいい。物腰と口調の礼儀正しさから見てどうやらサンタクロースに扮しているマルタイの執事のようだ。
「フン、ならあんたがトナカイになればいいだろ?」
「昨年まではそう致しておりましたが、面目ないことに先日、膝を痛めてしまいまして‥‥」
「気にすることはないぞ、ルドルフ。今年は彼が手伝ってくれるんだからな」
「はい、本当によろしゅうございました。あなた様がトナカイ役を引き受けて下さいまして」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!手伝うったって、それはー」
「ああ、わかっておる。なあに君の善意以上にこき使ったりはせんよ」
 と、サンタクロースは上機嫌でウインクして見せた。そう、ジョーがトナカイの着ぐるみを着る羽目になったのはこんな経緯からだった。
 
 『釣り‥‥かね?』
 『ああ。あいにく細かいのが無いんだ』
 『募金に釣りとは聞いたこともない話だがー』
 そりゃそうだよな、とジョーも思ったが、こうなったら後には引けない。
 『だけど、その、どうしても寄付したいんだ』
 『なら思い切ってその$100札を投じてはどうかね?』
 『そいつは困る!』
 『ほお?』
 『この$100は、ええっと、その、つまりあれだ。恋人へのプレゼントを買うための金で‥‥だから全部ってワケにはいかないんだが、でも俺は‥‥』
 ‥‥はい、さようならってワケにはいかねえんだよ!くそっ!‥‥
 しかしジョーが自分を警護しているとは知らない件のサンタクロースは、何だかわからないがーそして金も無いのにー意固地に寄付をしたがる若者に些か首を傾げながら言った。
 『ふーむ、なるほどな。よし、では付いて来たまえ』
 よし、控え室に行けば釣り銭くらいあるだろうし、それにこうして一緒にいれば安全だしな、とジョーは、
 『おう!』
 と、気軽に応じてサンタクロースの後に従ったのだが‥‥
 控え室でジョーを待っていたのは、トナカイの着ぐるみだった。
 
 
to be continued.....
(2010/12/13 00:02:44)

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  [105] 投稿用@2010.10月−1 さゆり 


まだ9月末ですが(笑) (2010/09/29 23:57:24)

[105-1] 始まりの朝 朝倉 淳

「いてっ!」
 寝返りをうったとたん、何かが頭にぶち当たってきた。
「・・モップ?」
 あわてて体を起こしシーツの上に寝そべるそれを見た。確かにおれが昨日買ってきたモップだ。
「なんでおれ、モップと寝てるんだ?」
 寝てるといえば・・このベッドはおれのじゃない。当然、部屋も違う。
「そうか、あのまま寝ちまったのか」
 ジョーはイスの上に丸まっているシャツを着ると隣の居間兼事務所を覗き込んだ。
 大きなテーブルの上には昨日の晩餐の跡がそのまま残っていた。空けられたワインのボトル、しなびたレタスやポテトサラダのカケラ、そしてローストチキンの骨─。
 しかしそこにはこの部屋の主はいなかった。
 仕方なくジョーが片付けようとした時、
「起きたか」
 入口のドアが開き、妙にスッキリとした顔のケンが入ってきた。
「お前、どこで寝たんだ?」
「トレーラーハウスのベッドさ。やっぱりちょっと窮屈だな」
 ジョーはケンよりわずかに背が高い。ケンが窮屈と感じるのならジョーはもっとだろう。
「だけど良く寝られたぜ。こじんまりとしているのがいいのかも」
「ぬかしてろ」
 ガチャガチャと音を立てボトルを部屋の端に置き、食器をシンクに放り込んだ。
 新しいベッドなのに先に使いやがって。またおれは2番手かよ。─などと拗ねているわけではない・・・と思う・・・。
「朝飯はこいつでいいよな」
 そんな顔を見られるのがいやで、ジョーは残っているチキンをレンジに放り込みスイッチを入れた。が、
「あれ?こいつ動かないぜ」
「そんなはずはない。買ったばかりだぜ」ケンがレンジに寄り、「プラグを入れなきゃ動かないぜ、ジョー」
 と呆れたように言った。
「これであのマシンを動かせるのかね」
「っるせーや。G2号機にプラグが付いていてたまるかっ」
「そりゃそうだ。コードが長すぎる。万一外れたら大変だ」
 真顔で言うケンに、こいつこそリーダーで大丈夫なのか?と思った。
「そうだジョー、今日はここの片づけを手伝ってくれ。まだ荷物を全部入れてないんだ」
「は?なんでおれが─」
「一宿一飯の恩義を知らないのか?」
「・・・・・」
 一宿はともかく、一飯はおれのおごりだ。
 細いくせに大食漢のケンは2人前くらいペロリと食べる。博士の別荘からくすねてきたワインを空けたのも奴だ。
 「さあ、話が決まったら早く食っちまおうぜ」
 決まってない!と言いたかったが、テーブルにつき朝飯を待っているケンを見るときっと言っても無駄だろうと思い、ジョーはレンジからホカホカのチキンを取り出した。

 南部博士の別荘から出る時、荷物の多くを処分したジョーと同様ケンの荷物も少なかった。
 それでも、どうしても処分できない物もある。
「こいつはどこに置くんだ?」
「棚の一番下に入れてくれ」
「ラジャ」面倒だなあ、と思いながらダンボールを2つ重ねて持ち上げたが、「うわっ!」
「ジョー」
 急にジョーの体が床に沈んだ。ダンボールの中味をばら撒き、仰向けになったジョーがジタバタと暴れていた。
「大丈夫か」
「わ、悪い─おっ」散らばった中味をダンボールに戻す手が止まる。「ジュニア・スクールの成績表?こっちは作文の賞状・・・。こんな物まで取ってあるのか?」
「おれじゃない、博士だ」
 ちょっと照れくさそうに、ケンはジョーの手からそれらを取り戻した。
「母が死んだ後、しばらく施設にいたんだ。その時に博士が家具や荷物を整理して保管していてくれた。この飛行場同様にな」
 ケンが母親を亡くしたのは11の時だと聞いている。そういえばその前後にケンはよく別荘に泊まりに来ていた。その頃ジョーは南部の別荘に世話になっていたはずだが、なぜか記憶が曖昧でいつケンが別荘に住む事になったのかまるで覚えていない。
 いや、1つだけ覚えているのは・・・。
 別荘に泊まったケンがその翌朝に、“じゃあ、またね。ジョー”と言って家に戻っていく彼の明るい顔を見るたびに、なぜか無性に腹が立ち・・哀しい想いにどうしようもなくなり、その日はしばらく部屋に閉じ籠っていたっけ。
 まるっきりのガキだな。
「少し経ってから博士に母の遺品を渡された。ダンボールに2つしかなかったよ」
 おそらく母は自分の行く末を見越し、少しづつ整理していたのだろう。その1つ1つをケンが愛しそうに撫でる。と、その手が止まった。
 赤い表紙の分厚い本・・・?
 ちょっと迷っていたケンの手がゆっくりと表紙をめくる。アルバムだ。ジョーが覗くとケンに良く似た髪の長い女性の写真があった。
「お前にそっくりだな。いや、お前が母親そっくりなのか」
「そうか、ジョーはおれの母に会った事はないんだな」
 長く一緒に暮らしているとお互いの事を何でも知っている気になるが、実際ケンはジョーの両親がギャラクターに殺された事、ジョーはケンの父は行方不明で母と2人暮らしだった事しか知らない。
 ケンの手がページをめくる。と、
「・・どうしたんだ、これ」
 ジョーが思わず呟いた。写真が所々剥がされている。見開きなのに2、3枚しか張られていないページもあった。
「お前がやったのか?」
「いや・・、母だ」ケンは小さく息をついた。「剥がされた写真にはおそらく父が写っていたんだろう。なんで剥がしたのかはわからないが、博士から渡された時にはもうこの状態だった」
 南の空で行方不明となったケンの父。生きていると信じてはいるが、しかし長い年月が過ぎていくうちにその姿を見るのが辛くなってきたのだろうか。
 剥がされた写真は他の遺品からは見つかっていない。
「辛うじてこの1枚が残っていた」
 取り忘れたのか、それはケンを抱いた母、そのそばに立つ父の3人が写った古びた写真・・・。
「・・・・・」
 ケンもジョーと同様、家族には恵まれなかった。しかし11までは母と暮らせたのだ。それを羨ましいと思ってはいけないだろうか。
 その母のぬくもりをケンは手にしている。確かに少ないがあるだけいい。ジョーは何1つ島から持ち出せなかった。自分の身でさえ、博士がいなかったらどうなっていた事か。
 いやそれよりも、ジョーは島での暮らしを覚えていなかった。 
 温暖な気候の地に咲き乱れる花々、オレンジの甘い香り・・・それらは今でもジョーの脳裏にあるのに、なぜか父の顔も母の顔も暗闇の中に溶け込んで見えなかった。
 ただはっきりしているのは、あの海辺で自分の名を呼んだ両親の声だけ・・・。
「しかし、この成績表をぜんぶ博士に見られたかと思うとゾッとするよ」
 黙ってしまったジョーにケンもわかったのだろう。しかしヘンな慰めの言葉などこの男は望んではいない。
「一休みしようか」ケンは散らばった荷物をダンボールに戻し立ち上がる。「転居祝いだってジュンがちょっと良いコーヒー豆をくれたんだ。それを淹れよう」
「コーヒーかぁ。料理じゃないから大丈夫だな」
「ひでぇなあ」
 笑いながらケンがミルを取り出した。
 これから長い戦いの日々が始まる。せめて今日は暗い気分になんかなりたくない。それはジョーも同様だ。
「だがよ、あれでスナックなんかやって行けるのかね。まあ、飲み物の他はサンドイッチとクラッカーくらいだけどよ」
「別荘のコック長がジンペイに簡単な料理を1つ2つ教えていたが」
「ジンペイに?─正解だな」
 ハハハ・・と珍しく高い声で笑ったジョーがテレビを点けた。が、
「なんだ、これは」
 今まで明るかった声がガラリと変わった。その声につられケンもテレビに目を向けた。
 崩れたビル、ぐにゃりと曲がった鉄骨、破壊された発電所、灯台─。
 アナウンサーは南方の国が超大型のハリケーンに襲われ、その爪あとだと言っている。しかしハリケーンだけでこんなひどい壊れ方をするだろうか。
 明らかに巨大な力で乱暴に打ち壊された建物や高速道路─。
「ケン」
 ジョーが青く光る瞳をリーダーに向けた。
 初出動はもうすぐかもしれない、と2人は思った。

おわり

(2010/10/29 14:52:24)

[105-2] こんにちは 朝倉 淳

このお話はすでに当方のブログに載せておりますが、以前こちらに投稿いたしました「始まりのとき」の続きとなりますので、投稿いたしました。

んー・・でも、「重要な続き話」でもないんですけどね(^_^;)
(2010/10/29 15:00:16)

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  [104] 投稿用@2010/7/7 さゆり 


「返信欄」からBIRD GO! (2010/07/07 21:53:49)

[104-1] お久しぶりです p.G

色抜きは「涼」を、と思いましたが(短時間描きで;)
猫が首に巻きついたらやっぱり暑いか(^^A);
(2010/07/08 00:40:48)

[104-2] 「涼」 トール

涼しい瞳・・・とは、まさにこういう美しさを言うのですね!
P.Gさん、健在!! いいなぁ、やっぱ悦いよ。
でも、色つきも欲しい(欲張り;;)
(2010/07/10 15:19:25)

[104-3] 暑中〜 さゆり

お見舞い申し上げます♪@人様の涼しげな画で便乗挨拶(笑)

p.Gさん、クールビューティーなケンをどうもありがとう♪
ケンの襟足はネコ巻きついてなくても暑いんじゃない?
束ねてやりたくなるぞ、あのヘア・・・(^_^;)
それでも充分涼しげなのは、やはり画伯ならでは!さすがっ!

で、トールぅ〜、
>色つきも欲しい
略して色欲?(爆)うん、いいねいいね(*^_^*)
(2010/07/11 11:22:05)

[104-4] 色欲;; トール

色欲(色付き)はね、猫じゃなくってジゴキラー草を首に巻いて欲しいです。
涼しくなること請け合い!
あ、でも、事後・・・・じゃなくって(爆)、ジゴちゃんの好物は、若い女性だったですね;;
(2010/07/24 11:30:51)

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  [103] 投稿用@2010/1/13 さゆり 


GO ! (2010/01/13 23:28:31)

[103-1] 手のひらのUNIVERS(4) yu-jin


 勝手が判らない店で遊ぶには取りあえずカウンターに座って様子を伺うのが手っ取り早い。
 何処の誰とも判らない奴相手に目をつけられて来いという滅茶苦茶な命令に従って、ジョーは渡されたリストの店を順に回った。
 この店で4軒目。そろそろシンデレラは家に帰える時間だ。
 かれこれ6時間近くが経つ。にも関わらずイベントを仕切ってるという渡された写真の男でさえ見つけられていない。
 まったく手応えもなく店をハシゴしているのだから、仕事をしているのか遊んでいるのかさえ気分的に怪しくなってくる。
 だいたいこの手の店で「領収書下さい」とも言えねぇし。
 ますます『仕事』気分は薄れていく。
 最初の店に入った時からジョーには嫌な予感はあった。
 「宛名は国際科学技術庁様で」なんてますます言えない。
 まして口が裂けても「コンドルのジョー様で」とも言えるはずもなく、済し崩しに領収書は貰わず仕舞い。
 この立て替えは本当に清算されるのだろうかといささか不安を覚えながら、だからと言ってバーカウンターで「ビール」ともいえず。
 「何になさいますか?」
 「レッドアイ」
 バーテンに答えながらフロアを見回したジョーの視界の中に目当ての人物を見つけた。
 いた。
 写真で見た通り頭の足りなそうな男が、数人の男達の輪の中にいる。
 スタイルはそう悪くはなさそうだが、致命的に顔が残念な男だ。もう少し若ければ残念な顔故に純朴そうだとも取れるのかもしれないが、20代後半に行っているだろう年齢では、思慮深さをまるで感じないがさつで軽薄そうなイメージしか与えない。
 彼をとりまく男達と、何やらでかい笑い声を上げているのは判るものの、フロアに流れる曲の音量に邪魔されて話している内容までは聞き取れなかった。
 あれが、イベンターの集団か?
 しばらく様子を観察しようと、視線を動かしたジョーは、一瞬自分に注がれる強い視線に気づいて振り返った。
 「おまたせしました」
 目の前に置かれた赤い液体。
 こいつ?
 バーテンが頭を下げた瞬間に消えた視線。
 ジョーはカウンターの中の男を伺ったが、男はすぐに側を離れていった。だが、ジョーに背を向けるその一瞬その男の目がスッと細められ、冷やかな視線がジョーを舐めた。
 やっぱりこいつだ。
 何者だ?
 どうやらこの店が本命らしい。
 ジョーは内心警戒しながら置かれたグラスを手にとる。
 さすがに4件目ともなると、トマトジュース味のビールにもいささか飽きてきている。 「は〜い」
 とりあえず様子を伺うにしても男一人では怪しまれると、適当に女を見繕おうとした矢先だった。
 声に振り向いたジョーの目の前にドアップの女の顔。
 あまりに突然の予期せぬその女の出現にジョーは一瞬任務を忘れた。思わす言いかけたその女の名前は、声として発せられる前に女の唇に遮られた。
 「いやぁねぇ。そんなに私が恋しかったの?」
 甘い声で言いながら女の腕がジョーの首に絡まる。
 まるで愛しいものを見つめるように、潤んだ瞳を向けスツールに座ったまま呆然としているジョーの耳元に口を寄せた。
 「こんなところで名前呼ぶなんて野暮なことはやめてよね」
 素早く囁かれた口調は間違いなくジュンそのもの。
 何でここに?
 何やってんだ?
 とは聞けない雰囲気にジョーはただただ沈黙するしかない。
 「あのバーテンどう思う?」
 ジュンは不用意にジョーが振り向くと思ったのか首に回した手でジョーの頭を抑えて耳元で囁いた。
 そこまで馬鹿じゃねぇよ。と言いたいところだが、さっき名前を呼びそうになった失態は消えない。
 「ただ者じゃねぇって感じだな」
 さっきの鋭い視線を思い浮かべる。
 妙に肝が座っているというのはバーテンには珍しいものでもないが、人生の憂いを背負うにはまだ若い外観に似合わず、裏社会に長く生きてきたような雰囲気を持っている。
 第一目つきが悪い。
 まあ、若くても憂いを背負う奴はいるにはいる。
 例えば俺のように。
 そんなことを瞬時に考えてていたジョーは、ついでに目つきが悪いことも同じと言えば同じだとは気付く前に、ジュンの声で現実に引き戻される。
 「バイトらしいんだけど、他の店でもやってるのよ。日替わりで3軒。怪しいと思わない?」
 「おい。おまえも頼まれたのかよ」
 「博士にね」
 「博士?」
 「いちいちそんな顔しないでぇ」
 思わず問い返したジョーの顔を両手で挟むと、身体ごとジョーに体重を預けどこから声出してるんだ?と思う甘い声でそう言った。
 女は化ける。
 「ねぇ。せっかく会ったんですもの。楽しみましょう」
 ジュンの左手がジョーの首筋から胸をなぞり脇腹を撫で下ろすとそのまま太ももへと辿り着く。
 おいおいおいおいおいおいっ!!
 ジュンの頭がジョーの肩口にしなだれかかり、息を吹き込むほど間近に口を寄せた。
 「同じ店に二人いても仕方ないわ。うまく誤魔化してジョーは次に行って」
 言ってることと態度はまるで正反対。さもこれからたっぷりお楽しみな気分満々の態度とは真逆に、囁かれた言葉は「とっととお帰り」と同意語だ。
 ジョーはそっと吐息をついてさてどうしたものかと考える。
 誤魔化すにしても、演技とはいえすっかりその気の女を無下に扱うというのも忍びない。かと言って誘いに乗っては意味がない。
 ジョーは腿の上に置かれたジュンの手をとって自分の首に回せると、ジュンの頭を抱き寄せて唇を近づけた。
 ジュンの目に一瞬戸惑いが浮かぶ。
 ジョーはさっきの仕返しとばかりにニヤリと笑いジュンの身体を引き離した。
 「悪いなお嬢さん。先客があってな。時間潰しに入った店で君に会うとは思わなかったよ」
 「ちょっと。人をその気にさせておいてそれはないでしょ」
 その気ってどの気だよ。
 とジョーは内心毒づく。
 「悪いな。俺も残念だよ」
 言いながらスツールを降りようとした時、ジョーは自分の左頬に熱を感じた。
 うそだろ!
 「最低ね。付け上がるんじゃないわよ。あんたなんか二度とごめんだわ」
 けたたましい音量で流れる音楽に、おそらくは誰もこの痴話喧嘩もどきには気づいていないだろう。そうカウンターの奥にいる例の男以外は。
 「まいったなぁ」
 軽く顔を歪めてジョーは左頬を摩る。一応手加減はしたらしい。ジュンに本気で殴られたら間違いなく口の中が切れる。なまじの男より人を殴ることには年季が入っている。蹴られなかっただけマシだ。
 踵を返してフロアの人込みに紛れていくジュンを見送って、ジョーはもう一度そっと吐息をつくとキャッシャーへ向かった。

-To be continued-(なんだけど)
(2010/01/13 23:31:09)

[103-2] おおおーー! 朝倉 淳

ジュン相手に、ポカンと目を見開きあせっているジョーが目に浮かぶようです。
ジョーは「おいおいおい─」でしたが、私は「おおおーー!」でした。←?

次の店にはリュウが待っていて、「その気にさせておいて─」なんて言ったら、どうしましょ、ジョー。
(2010/01/14 15:50:16)

[103-3] うははは〜 さゆり

>次の店にはリュウが待っていて、「その気にさせておいて─」

鼻からコーヒー噴いちゃいました、淳さぁ〜ん(爆)
(2010/01/14 23:03:20)

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  [102] 投稿用@2009/12/25 さゆり 


BIRD GO ! (2009/12/25 22:55:37)

[102-1] 謹賀新年m(_ _)m phantom.G

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

結構気に入っていたので変身を解いてみました。
(2010/01/05 18:42:43)

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  [101] 投稿用@2009/12/23 さゆり 


GO〜! (2009/12/23 00:40:46)

[101-1] Promessa 朝倉 淳


「それでおいら、クリスマスのプレゼントにはボクシンググローブがほしいって、お姉ちゃんに言ったんだ。そうしたら“ボクシングなんか習って、私より強くなろうたってムリよ”だってさ。そんなもの習ったってお姉ちゃんの方が強いに決まってるよ」
 カウンターの向こうでグラスを磨きながらジンペイが言った。
「ボクシングにカラテを足してもムリじゃのう」
 カウンターのこちら側に座るリュウが小さく、しかし何度もウンウンと頷いている。
「で、貰ったプレゼントがこのゲーム盤か」
 ケンが箱から取り出したのは、平和的なのんびりとした昔ながらのコマを使って遊ぶゲームだった。
「おれも子どもの頃に持っていたけど、結構おもしろいぜ、これ」
「チェ、おいらそんなので喜ぶほど、子どもじゃないよ」
 曇りひとつなく磨かれたグラスが並べられていく。
 さっきまでふてくされていたジンペイだが、ジュンが買い物に出た間に来店した3人のアニキ分にグチを聞いてもらったせいか、今はいつもの人なつっこい顔に戻っていた。
「アニキ達は子どもの頃、プレゼントに何を貰ったんだい?」
「おら、釣竿だな。最新の電動リールがついたやつでよお。クリスマスの翌日はそれで1日中、釣りをしとったわ」
「おれは母がいた頃は新作のスニーカーやセスナの模型だったけど、博士の所に出入りするようになってからは百科事典とか十何巻もある“世界子ども文学全集”とかだったな。それを毎年1、2巻づつ─」
「ひぇぇ〜」「そ、それは・・博士らしいがのぉ・・」
「クリスマスの翌日から必ず訊かれるんだ。“ケン、読んだかね?”って。“はい、今読んでいる最中です”って答えて、1年が過ぎて行く」
 ケンはゲーム盤を広げコマを並べた。フッと、懐かしさが彼の胸を突いた。
「そして次のクリスマスには、その続きの巻を貰うんだけど─」
「だけど実際は読んでいない」
 リュウの言葉に、まーね、とケンが笑った。
「ジョーは子どもの頃、何を貰ったの?」
 少し離れたボックス席に座るジョーにジンペイが訊いた。ケンがかすかに眉をひそめる。
 マリンサタン号で海底に潜り、ギャラクターの海底空母の中で聞いたジョーの過去。今はまだケンの胸の中に収められている。
「やっぱりラジコン・カーとかモデルガン?」
「ない」
「─え?」
「クリスマスプレゼントなんて貰った事はない。それどころかクリスマスも知らなかった」
「ま、まさか・・」
 ジョーの故国はヨーロッパでも古い国の1つだと聞く。彼が生まれ育ったのはその国の島だが、クリスマスを知らないなんて事があるだろうか。
「きっとおれのうちは敬虔な仏教徒だったのさ」
「そんな・・」
 モゴモゴと呟いて─ジンペイは口を閉じてしまった。

 ジョージが本当のクリスマスを知ったは、南部に助けられ、この国に来てからだった。
 ギャラクターの養成機関といわれるBC島だが、島にいる全員がギャラクターの構成員ではない。わずかだが元々この島に住んでいた人達もいる。ジョージの友人のトニオやマルコもそうだ。
 1年の終わり近くなると彼らは楽しそうにクリスマスの話をする。どうやらそれはパーティを開きプレゼントを貰う─子どもにとっては最大のイベントらしい。
 しかし、ジョージの家では─母と2人で夕食を摂り、夜遅くに帰宅する父の顔も見ずにベッドに入る─そんないつもと同じ1日だ。
 ジョージはなぜ自分の家にはクリスマスがこないのか、と不思議だった。だが今ならわかる。

(クリスマスなんてやらねえよな、ギャラクターが)

 世界の平和と人々の幸せを願う聖人の誕生日を祝うなんて、カッツェが許すはずもない。島にも小さな教会があるが、そこに通うのはギャラクター以外の島の住人だけだ。
 彼らが崇拝しその存在を祝っていいのは、ベルク・カッツェだけなのだ。
 もちろん当時のジョージにはそんな事情はわからない。

 ある年、ジョージは母にトニオ達が言っていたクリスマスの事を話してみた。と、母は眉を寄せ辛そうな瞳をジョージに向けた。これは訊いてはいけない事なのだ、と思った。
 この時はちょうど友人がジョージを呼びに来たので、母の答えを聞く前に家を飛び出した。
 その夜、珍しく早く帰宅した父がジョージを書斎に呼んだ。父は体の大きな人で、幼いジョージを膝の上に座らせると彼の目を見て話し始めた。
「クリスマスというのは、世界中の人々の幸せを願った人の誕生日を祝う日だ。その人は今はもういないが、世界の多くの人がその人の誕生日を祝っている」
 ミサはもちろん教会にも行った事のないジョージは、“世界中の人にお祝いしてもらえるなんて・・。皆その人が好きなんだな”と思った。
「今年はもう過ぎてしまったけど、来年はうちでもその人の誕生日を祝おう。お友達を呼んでパーティを開きプレゼントの交換をしよう」
「ほんと?約束だよ」
 瞳を輝かせ言うジョージを見て、父が頷いた。だがその約束が実行される事はなかった。
 翌年の、夏も終わりの避暑地での出来事がジョージの運命を変えた。
  
(親父はおれにクリスマスをさせたいから、ギャラクターを抜ける決心をした・・)
 自分の出生の秘密を知った後、ジョーはそう思った。
 だがあの組織を抜け出すという事はそんな簡単なものではない。おそらく父は何年も考え続けていたのだ。クリスマスは1つの切っ掛けにすぎない。

 独身で過ごしてきた南部は、子どものためにクリスマスパーティを開こうとは思いつかなかった。またその時間もなかった。
 彼は子どもを助けた島で地球を狙う一大組織の存在を知った。その陰謀を防ぐための組織を、こちらも作らなければならなかった。
 ジョージは南部の所有する海の見える別荘に引き取られた。ここが彼の安住の地になるかはわからない。だがすでに“死んだ”事になっているジョージをへたな所に置くわけにはいかなかった。
 別荘にはシェフや庭師など多くの使用人と、ジョージの世話をしてくれるメイドもいた。
 彼らは子どものためにクリスマスパーティを提案し、ジョージの希望も聞いたが・・・初めてのクリスマスは両親と迎えると決めていたジョージは首を縦に振らなかった。
 もうその約束が叶えられる事はないのはわかっているのだが、ジョージにとってのクリスマスは聖人の誕生日を祝う日ではなく、親子3人でゆっくりと過ごせる時を言うのだ。
 それが何年か続き、やがて使用人達も諦めてしまった。
 だが、南部が後見人を務めているという彼の親友の息子が時々別荘に泊まりに来るようになると、彼らはクリスマスを母親と共に過ごせないその少年のためにパーティをしてはどうかと改めて南部に提案した。
 この時になってやっと南部も気がついたらしく、使用人達の言うとおりパーティの支度を許し、自らも2人の子どものためにプレゼントを選んだ。
「ありがとうございます、博士」
 自分の顔より大きな本にケンは目を瞠ったが、素直に礼を言って受け取った。
 だがジョージは、申し訳なさそうに南部を見るだけで受け取ろうとはしなかった。

 やがて2人も南部の計画の手伝いをするようになり、クリスマスを祝う事もプレゼントを貰う事もなくなった。

 その後、計画に参加した3人の仲間とケンはクリスマス近くなると集まっていたようだが、ジョーは無意識にそれを避けていた。

「ジョーの兄貴」
 ジンペイの声にジョーは我れに返った。
「今年のクリスマスは任務で何もできないうちに過ぎちゃったけど、来年はここでパーティをしようよ。ケーキやプレゼントを用意して。その頃にはギャラクターもいなくなっているさ」
「・・・そうだな」
 両親とクリスマスを迎えられないのは今でも心残りだが、その代わりおれにはいい仲間が出来た。来年はこいつらと一緒にクリスマスとやらを祝ってみるか。
 ジョーは小さく頷いた。

 だがその願いが叶うことはなかった。
 クロスカラコルムでのギャラクターとの最終戦の後、無事だったGPのひとつ空いたシートに、その主が座る事はなかった。

「アニキ、このイスはどこへ置く?」
「そうだな・・・。あいつはレーダー係でいつも横を向いていたから、今度は真正面に置いてやれ」
「ツリーやケーキに一番近いわね」
「ここならよく見えるじゃろ」
「特等席だぜ、ジョーのアニキ」

クリスマスなんてよくわからねえが、こういう集まりはいいな
 ツリーの真正面に置かれたイスに長い足を組んで座り、きつい微笑みを浮かべた男の低いがよく響く声が聞こえた。


                                 Fine
(2009/12/25 15:24:54)

[101-2] 素敵な仲間たちだ〜(涙) 南部響子

ジョーがいなくてもちゃんと彼との約束をはたす諸君のけなげさに…
号泣です〜(。>0<。)
きっとゴッドフェニックスの空席にもいつも話しかけているんだろうな。

私の耳にもジョーの声が聞こえましたよ。
素敵なクリスマスプレゼントをありがとうございました。
(2009/12/28 22:27:07)

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Cool Shot! Ver. 3.8