F教室

by トールハンマー


F教室1

毒林檎と七人の小人

1.


「スコポラミンの用意をしろ。」
 部下に両脇から抱えられた南部を見下ろしながら、(1)エゴボスラーは言った。
「自白剤など使いたくはなかったのだが仕方がない、貴方が望んだのだ。ほんとうはこれ
でも飲みながらゆっくりと語りたかったのですがね、南部長官。」
 片手に赤い血の色の酒を揺わせた彼の表情は、あくまで余裕に満ちていた。
(2)ケンペラーの裏切りに合い、正体を暴かれ、(3)ファミリーの主導者の座を追わ
れた身であるということなど微塵も感じさせない。
 銀白色のケースから(4)メカンドルの手によって薬液の入ったシリンジが取り出され
るのを、唇に微笑さえ浮かべて見ている。
「うっわ!!」
 鋭い痛みとともに体中の神経が悲鳴を上げたような感覚を受け、南部はガクリと頭を落
とした。

 どれくらい経ったのか、時間を感知するのは不可能だった。
 目の前には真っ白い光がある。その光は網膜から刺すように脳の中に刺激を与える。
恐ろしいほどの吐き気に襲われるが、瞼を閉じることは出来ない。
「南部長官。」
 低い、だがどこか金属的な響きのする声が聞こえた。
 ゆっくりと視線を上げ、ぼんやりとした輪郭を確かめようと瞬きを繰り返す。が、視力
が回復するのを待つ間もなく声は容赦なく鼓膜を打った。
「国連軍の兵力、フェザーレオパルドの全貌と、科学忍者隊の正体と弱点は?」
 声は何度も同じ調子で同じことを繰り返していた。
「知らん。」
 そして、南部はその度に同じ言葉だけを繰り返す。
 そうした押し問答のような応答が何十回と続けられる中、焦燥感に先に根を上げたのは
エゴボスラーの方だった。
「南部を特別室に移せ。」
 そう命令する彼の顔にさっきまでの余裕の表情はなかった。引きずられるようにその場
から連れ出される南部の背中を、あからさまな残虐心に煽られた眼光が貫いた。

・・・・・・健の、ガッチャマンの弱点は喋らん。
たとえこの命に代えても。健は私が守る。
冷たい床を張って壁まで行きつくと、南部は力を振り絞って上体を起こしドッと壁に背中
を預けた。
 一刻も早く、宇宙パルスの謎をつきとめねば、宇宙パルスの謎を・・・・・・・・、
 そう唱える口の中がからからに乾いて舌を下顎に貼りつかせている。無理に剥がそうと
して南部は「ぐっ、」と低くうめいたが、重く垂れた腕を懸命に持ち上げ、上着の右の袖
口に3つ付いたボタンの1つを引き千切ると、そっとポケットに忍ばせた。
 ふぅ、と一つ息をつくと今度はその手首のリストウォッチに仕込まれた通信装置を確認
する。こういう場合の為にかねてより身に付けているもので、暗号化された特殊電波を幾
つもの衛星をランダムに通過させ目的地に受信されるため、逆探知が不可能な上、解読は
勿論、電波自体がジャミング効果を持つために、発信を探知するのも困難だ。だが長時間
使用すればジャミング効果そのもが探知されてしまう恐れがある。
 ・・・・・・・これを使うのは最後の最後だ。
 焦点の定まらないままも視野を無理に広げて眺めた部屋の中は、床も壁も見上げる頭上
も、まるで神経を逆撫でるような多角形の集合体だった。
「この部屋は自白促進装置によって、貴方の神経と体を極限まで疲労させてくれるだろう。
その後で、またスコポラミンを打って差し上げよう。」
 耳に残っていたエゴボスラーの言葉を思い出した時だった。鋭い耳鳴りに襲われた。目
の前をガラスの破片のような光が押し寄せてくる。
 神経を刺し肉を突き抜け、悲鳴を上げようとする喉を掻き切った。
「国連軍の兵力は・・・・・、フェザーレオポルドの全貌は・・・・・、ガッチャマンの
正体は・・・・、」
 ガッチャマンの弱点は!!、
「知らん。」
 南部は歯を食いしばり声にならない叫びを上げた。

 ドアが開くかすかな振動が床を伝わって体に感じられた。
「どうですかな、長官。では早速スコポラミンを打って差し上げましょうか。」
 エゴボスラーの声が聞こえた。
 南部は床から剥がされた体をブルッと震わせ「待ってくれ、」としわがれた声を絞り出
した。
「どうやら話す気になったようですね長官。それでは私の部屋に案内しましょう。」
 メカンドルに目配せし、エゴボスラーは満足げに黒いマントを翻した。
「さあ、来い。」
 グイと掴み上げられた腕が骨を軋ませた。
 しかし、もう一歩も踏み出すことの出来ない足をズルズルと引きずりながら、南部はそ
の時エゴボスラーの後ろで、微かに唇を緩めて見せた。



解説1.==================================

  (1)エゴボスラー
      ギャラクターの首領で、エゴボスラーファミリーの総帥。
      実はファミリーの正当な継承者ではなく、自分がエゴボスラー家の血を引く
      と解った時に、父を殺し兄を幽閉し、兄弟で骨格が似ているのを利用して顔
      を整形し、ファミリーの主導者となった。

 (2)ケンペラー
     役職:親衛隊長
     エゴボスラーの秘密を暴き、反旗を翻してファミリーを乗っ取った。しかし首
     領の器ではなく、後にファミリーに戻ったエゴボスラーに処刑される。

 (3)エゴボスラーファミリー
     由緒正しき伯爵家。ギャラクターに忠誠を誓ってからは由緒正しき悪の組織
     となる。

(4)メカンドル
     役職:機甲師団長
     エゴボスラーの側につき最後まで忠義を尽くした。

 補足、
     Fではギャラクターという組織が、エゴボスラーファミリーによって形成され
     ている。
     総裁Zが隊員集めと組織作りを面倒がったのか、ファミリーをギャラクターに
     改造してしまったのだ。だが、エゴボスラーとともに物語りの重要な軸になっ
     ているファミリー、実はこれだけで十分話は出来あがったと思う。はっきり言っ
     てギャラクターの存在は邪魔だ。総裁Xが去った後、再び地球をその手に入れ
     ようと野心を燃や
     したエゴボスラーがギャラクターを名乗った、ぐらいにしておいてもっと地球
     人同士の戦いに重きをおいた方が面白かったのでは?。安易に総裁ナントカに
     頼っていずに、新しい方向にもっていって欲しかった気がする。
     でも、それじゃ本筋から脱線するな・・・・・・・、 



F教室2 

毒林檎と七人の小人


2.


「は・・・・・、謀ったな、」
 苦しげなうめき声とともにエゴボスラーは、計器類の嵌め込まれた壁に身を貼り付かせ
ていた。
「いかがだったかな、ワインの味は。」
 床に砕け散ったガラスが血の滴りの中で高価な輝きを放っているのを見ながら南部は言っ
た。
 そして、握っていた掌をゆっくりと開くと、大理石のテーブルの上に2つに割れたボタ
ンが音をたてて落ちた。その中に仕込まれていたのは”真実の血清”、同様に自白剤だ。
「今度は私の番だ。宇宙パルスAQIIIの正体とはいったい何だ。喋ってもらうぞ、エ
ゴボスラー。」
「し・・・・・、知らん。」
「知らぬはずはない、貴様は(5)総裁Zから全ての指示を受けているはずだ。宇宙パル
スAQIIIの正体は?”毒林檎と七人の小人”とは?さあ、言うんだエゴボスラー!。」
「知らん、私は何も知らん・・・・・、メカンドル、」
 エゴボスラーはインターフォンに向かって助けを求めた。そして直ぐに応答が得られな
いのに苛立ち尚も大声で叫んだ。
「メカンドル!、メカンドルは居らぬのか!!。何をしているメカンドル!!。」
 それを聞いて南部はすかさずドアに走りロックを掛けた。その上で直ぐ側のコンピュー
ターを倒し完全に入り口を閉鎖した。
「エゴボスラー、まさか私が何の目的もなしに、ただこの鉄獣の中に乗り込んできたとで
も思ったか。」
「おのれ・・・・、南部、」
 蒼白になったエゴボスラーの顔に冷たい汗が滴った。
「宇宙パルスAQIIIの正体は?、”毒林檎と七人の小人”とは?、言うんだ。」
 今度は南部の声が容赦なくエゴボスラーの鼓膜を打ち、脳を揺るがした。それはある特
殊な信号となってシノプスを刺激し、隷従心を誘発する。
「A・・・・・、AQIIIとは、宇宙のかなたで造りだしている、反物質の製造工程を
知るための信号であり・・・・、ど、毒林檎と七人の小人とは、・・・・・、」
「毒林檎と七人の小人とは?・・・・・、」
 震える唇が発するのを即するように南部が呼応する。
「反物質を製造し、誘導する7つの宇宙ステーション・・・・・。」
 南部の背筋を冷たいものが這い上がった。想像していた通り、超エネルギー体が存在し
ていたのだ。それも核分裂の150倍もの破壊力をもつといわれる(6)反物質惑星が。
「その惑星の位置は?、」
 ひりつく喉から南部は絞り出した。
「北極星の方向、約一億キロの宇宙空間・・・・・、うっ!、」
 喉を仰け反らせエゴボスラーは頭を抱えて床に伏した。薬の量はごく少量だった。効果
を現す時間は限られている、猶予は既にない。南部がその頭を掴み訊問を続けようとした
時だった。
 メリメリとドアが軋み、倒れたコンピューターとともに吹きとんだ。
「エゴボスラー様!。」
 雪崩れ込む部下の先頭になってメカンドルがとびこんで来た。咄嗟に身をかわした南部
を仮面の男達が銃を構えて威嚇する。
「おのれ、舐めた真似をしてくれたな。」
 メカンドルに支えられたエゴボスラーは部下の腰から銃を抜き取り、南部と向き合うと
銃口を心臓に向けた。
 薬のタイムリミットは過ぎ状況は一変した。これ以上の情報は聞き出せない、だが聞き
出しただけの情報はリアルタイムで送信されたはず、既に引き絞られた引き金の前で、南
部に思い残すことはなかった。ただ、
 健、許してくれ・・・・・・・、
 それは生涯かけてのただ一つの悔恨の言葉だったろうか、・・・・・・・・銃声。
 だが、その照準はメカ鉄獣の外壁を破る爆発の大音響と振動によって大きく的を外れた。
「(7)ガッチャスパルタンです!。」
 そう叫ぶ部下達が右往左往する中、メカンドルは指揮を取るべく一目散にインターフォ
ンにとりついた。
「全員Bブロックに急行せよ!、ガッチャマンどもを一歩たりともメカの中に侵入させる
な!。」
 しかし、その命令をエゴボスラーは撤回した。
「科学忍者隊をここまで誘導させろ、南部を奴らの目の前で処刑してやる。」



 解説2.===================================

  
 (5)総裁Z
        Xの後、完全に地球を消滅させようとする宇宙の悪魔(←悪魔とは後の
        健の台詞だったか?) 
        地球の支配者にしてやると唆し、エゴボスラーとファミリーを操り計画
        を実行する。そして・・・・・・・・・「約束が違うぞ!、総裁Z!」
        カッツェの時と同様に最後にはエゴボスラーを裏切る。
        細く長い鉛筆のような物体ではなく、直径5センチ?程度の球体。バリ
        アーのようなもので守られていたが、ジョーのパワーで破られ健のハイ
        パーシュートによって消滅する。
        「こんな、こんなちっぽけな物に地球は滅ぼされようとしたのか、出て
        行け! この宇宙から消えうせろ!」
        二度と健にはハイパーシュートを使わせないと誓ったジョーの願いは、
        叶わなかった。

   (6)反物質惑星
        正確には反物質小惑星。毒林檎といわれるのはそれを覆っているバリアー
        がちょうど青い林檎のような形をしているため。

   (7)ガッチャスパルタン
        二等辺三角形合体メカといわれた科学忍者隊の専用機。火の鳥にはなる
        がゴッドフェニックスというネーミングは失われた。
        「ユーナイト、ガッチャスパルタン!」の健の掛け声で合体し、「ブラ
        ンチアウト」で分散する各メカはメカニックデザイナーのセンスを疑う。
        ニワトリの顔がない分、ニューゴッドフェニックスよりは見られるが、
        初代ゴッドフェニックスの美しさとは比較にならない。


    補足、
        総裁Z。だからわざわざ出してくる必要がどこにあった!。声はあの星
        一徹のオッサンで、出てくるたびに鬱陶しかった。
        しかし、最初の内はエゴボスラーがZを利用しようとしていたのが伺え
        る。その方向で最後までいって欲しかったが、所詮、”宇宙の悪魔”の
        力には敵うはずはなかったということか?。
        おかげで結構愛情込めて描かれていた割には、エゴボスラーのバカさ加
        減が目立ってしまった。



F教室3

毒林檎と七人の小人

3.


「来るんじゃない!、罠だ!」
 南部が叫ぶと同時に四方が壁に閉ざされた。
 一瞬にして覆われた闇に目を凝らす。重圧な鉄の壁が5人を取り囲んでいた。
「畜生!」
 勢い込んで体当たりを食らわす竜の体が跳ね返された。レーザーガンも効き目はない。
「悪あがきはやめろ、その壁はネオフロイトで出来ている。レーザーガンなどで刃が立つ
代物ではない。そこがおまえ達の柩となるのだ。だが、その前に今ここで南部を処刑して
やる。」
 再びエゴボスラーの銃が南部を狙った。
 壁の外で展開する情景に、5人は闇の中で息を呑んだ。
 引き金が絞られる、エゴボスラーはニヤリと笑った。
 ・・・・・・・・よせ!!
 健はフェンサーを奮った。しかし、ビームの切っ先から黒い壁に吸収された。
 ズガーン!!
 銃声が壁に反響し尾を引いて響いた。
「長官!!」
 ジュンの悲鳴が重なり木霊となった後、辺りは沈黙した。
 心臓の音が聞こえた。恐ろしいほどの静寂の中、息づくのは自分の鼓動だけ。
 健はその鼓動が次第に大きくなっていくのを感じた。胸を張り裂かんばかりに振動が打
つ、それは極限にまで達した怒り。
 腕に力をこめる。グリップを伝わったソウルがオーラとなってフェンサーを輝かせ始め
た。気を許すと、この身そのものを破壊してしまいそうなパワーを、健はその腕に、壁を
切り裂いた。
 バシュッ!!、鼻をつく金属の焼ける匂いがした。黒い重圧な壁が真一文字に切り裂か
れ、その隙間から光が見えたかと思うと、ズズーンと派手な音を立ててネオフロイトの壁
が崩れ落ちた。
「長官!」
 走り寄るメンバーとともに、思わず緊張を解かれて健の瞳が安堵に緩んだ。
 目の前の南部は肩を撃ち抜かれただけだったらしく、辛そうに左肩を押さえてはいたが
無事だった。
 ・・・・・・・・・・生きていた。
 だが、そう思った瞬間、
「そこまでだ。」
 2発目の銃声が南部を襲った。
 翻る白い上着、赤く染まった胸、スローモーションのように倒れていく身体。
「長官、南部長官!」
 叫び声と共に必死でその身体に手を伸ばす。
「健・・・・・・、」
 だが、銃弾は正確に白い上着の上から彼の急所を射抜いていた。跪く健に南部は必死で
言葉を伝えようと震える唇を動かした。
「宇宙パルスの正体とは、恐るべき反物質。製造する7つの宇宙ステーション・・・・・」
「いけない、喋っちゃいけない。」
 弱々しく差し伸べられる手を取って、健は涙が零れ落ちそうになるのを耐えた。
「地球を頼む・・・・、」
 南部の瞳が健を見る。そして、頷いた健にその瞳を据えたまま、こときれた。
「長官!」
 背後で皆の声が聞こえた。
 床に差したフェンサーがボッ、ボッ、と青白いコロナを立ち上がらせている。
 ・・・・・・・・許さん、許さんぞ、エゴボスラー!!
 フェンサーを抜くと発光が大きく膨張した。
「どけ、ワープしたフェンサーは人間など、たちどころに原子に分解してしまうぞ!」
 健の叫びに仮面の男達はたじろいだ。何よりもビィィィ−ンと弦を張るような不気味な
音をたて、青白く膨張したフェンサーが彼らを震えあがらせた。

 所かまわず太刀を奮いメカを破壊していく様は、最早人間業とは思えなかった。その情
景にはエゴボスラーですら足を竦めるほどだった。数分と経たずにメカ鉄獣は全機能を停
止した。
 その期を察してエゴボスラーはメカンドルを伴い、小型脱出用カプセルに向かった。
「逃がしはせんぞ、エゴボスラー!」
 健の手から放たれたフェンサーが、黒いマントの裾を捉え床に突き刺さった。
「殺してやる!」
 無様に身動きの取れなくなったエゴボスラーに、止めを刺すべく首を掴み骨を捻ろうと
顎に手をかける。ギリッと関節の軋む音がした。だが、その瞬間、不意に健の腕から力が
抜けた。
いや、体中の力という力が失われていく。
「な、まただ、こんな時に・・・・、」
 くず折れるようにして膝を付くと、まるで波打つ床に呑み込まれるように身体が沈んで
いく。
 必死で這い上がろうと、もがく先でエゴボスラーの背中が見えた。逃がすものかとマン
トの端を掴もうとするが思うようにいかない。
「そうか、これだ。」
(8)エゴボスラーの脳裏にISO本部ビルに攻め込んだ時の様子が蘇った。その時、南
部は敵襲の最中だというのに、診察台のガッチャマンの身体を調べていたのだ。
「ガッチャマンの弱点、しかと見せてもらった。今度会う時は貴様の最期だ。」
 エゴボスラーは勝ち誇ったように唇を満足げにつり上げた。そしてフェンサーに引き裂
かれながら黒いマントは健の視界から消えた。
 畜生・・・・・・、
 姿の見えなくなった敵を尚も追おうと健は歯を食いしばった。しかし、立ち上ることは
出来なかった。
「健!」
 敵を蹴散らせ駆け寄ったジョーが、健の身体を抱き起こしながら、ジュンの仕掛けた時
限爆弾の秒読みをする。
「大丈夫か、脱出するぞ。」
 爆発まであと20秒足らず。腰を抱き肩を貸して立ち上がろうとするジョーを、だが俄
か、健は撥ね退けた。
「健!」
 その手を振り払って床を叩く。すぐ側で火柱が上がった。
「俺は、俺は長官を助けられなかった、俺は長官を助けられなかったぁ!!」
 叫びが悲痛な響きとなって金属の床を伝わった。だがそれも一瞬、火を噴き怒涛を巻い
て崩れ落ちるメカ鉄獣の断末魔の悲鳴にかき消された。



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  解説3.

   (8)ハイパーシュートと細胞破壊
       説明は以前述べた通り。Fにおいて最大のテーマでありながら使いこなせ
       なった非常に残念な材料。
       よくIIは旧作からメロドラマの部分だけを取り出し、Fはアクションシー
       ンだけを取り出したといわれるが、それは間違いだ。
       「細胞破壊の症状が再発した。」その一言で、南部の、ジョーの見せた動
       揺は只ならぬものだった。(細胞破壊の話はZの地球消滅計画、エゴボス
       ラーへの裏切り、とマンネリ化し泥沼へと追いこまれたストーリーに歯止
       めをかけたといえるだろう。)旧作がジョーの死に対する健の話だったと
       すると、Fは健の死に対するジョーの話なのだ。これがメロドラマに発展
       しないはずがない。
       現に、「地球なんてどうなったっていい、俺にはおまえの命のほうが大事
       だ。」まがいのことをジョーは平然と言ってのけるのだ。


   補足、
      「ハイパーシュートはガッチャマンの最大の武器だ。少しでも異常が生じれ
      ばたとえどんな状況ででも真っ先に調べなければならない。」
      と言って、南部博士は敵襲の最中にも拘らず、健に「ベッドに横になりなさ
      い。」と言う。それから光線のようなものを健の体に当て
      「苦しくはないか、」と尋ねる。
      ちょっとー、ヤバいんじゃないの・・・・・・・、って想像力過多?。
      「何故だ、なぜおまえまでが・・・・・、なぜだ。」とジョーが言ったのは、
      この時の検査結果が残ったモニターを見てのこと。


END




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